2018年11月29日
アイデアよもやま話 No.4186 ”奇跡の糸”が世界を変える!? その4 高齢者の見守りサービスへの応用!

7月31日(火)放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で「銀メッキ繊維」について取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

4回目は高齢者の見守りサービスへの応用についてです。 

 

繊維メーカー、ミツフジ株式会社(東京都千代田区)の3代目社長、三寺 歩さん(41歳)はある特殊なシャツ、すなわち「シャツ型ウエアラブル端末」を作ろうとしています。

その秘密兵器は銀メッキを施した特殊な繊維、すなわち「銀メッキ繊維」です。

 

さて、人口約1万3000人の福島県川俣町では、福島第一原発事故で50km圏内だった一部が避難指示区域に指定されました。

震災から7年経った今も多くの若い世代が戻っていません。

高齢化率は約40%で、お年寄りだけの世帯が多く、見守りが深刻な課題となっています。

 

高齢化などにより増えている高齢者の独り暮らし、離れた場所にいる親が心配という方も多いと思います。

そこで今、様々な見守りサービスが登場しています。

例えば家の中にセンサーを設置、転倒などを察知した場合、すぐさま係員が駆けつけるサービス、専用の通信機器で体調不良などを知らせた場合も駆けつけます。

これはセコムやアルソックが行っています。

またガスや電気などの使用状況から高齢者の様子を家族に知らせるサービスもあります。

どれも毎日使うものなので安否を確認することが出来ます。

更に時計やリストバンドなどから体の状態を読み取る、いわゆるウエアラブル端末、高齢者に身に付けてもらい、その情報を家族のスマホに送るサービスもあります。

この見守り市場は2014年の時点で推計142億円、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には227億円規模になると言われています。(シード・プランニング調べ)

 

成長著しい見守りサービス市場、ミツフジがある取り組みを始めていました。

福島県川俣町、福島第一原発事故で若者が減少、深刻な高齢化に悩まされています。

今年5月、そんな川俣町に三寺さんの姿がありました。

訪れたのは山木屋地区、2017年3月にようやく避難指示区域から解除されました。

渡邉さん夫婦(夫の義明さんは81歳、妻のとくいさんは74歳)は二人暮らし、義明さんは体調を崩しがちです。

三寺さんはウエアラブル端末でこの地区の高齢者を見守れないかと考えていました。

渡邉さんの隣の家は震災で引っ越したまま、周囲に住んでいる人はいません。

住民の多くは同じような状況に置かれています。

7月上旬、着用試験が始まりました。

妻のとくいさん、夫が農作業をしている時の心拍数をスマホで見るのは初めてです。

するとあることに気付きました。

とくいさんは次のようにおっしゃっています。

「いつもからみるとちょっと高くなっているから、自分では少し休みたい時間になっているかな。」

 

もうひと家族、廣野さん夫婦(夫の隆俊さんは73歳、妻のミネ子さんは73歳)が実験に参加してくれました。

隆俊さんが趣味の卓球をしながら、ミネ子さんが心拍数を確認します。

スマホを使うのはこの日が初めてだったそうですが、ミネ子さんは割と簡単だったといいます。

 

一方、東京・千代田区の本社では送られて来たデータを三寺さんがチェック、このように遠くに住む家族も確認出来るようにするつもりです。

更に転倒した場合は家族に連絡がいくサービスも盛り込む予定です。

 

7月下旬、再び三寺さんは福島県山木屋地区を訪ねました。

廣野さんのお宅では、次のような会話が交わされました。

(三寺さん)

「私も(親と)離れて暮らしていますので、「元気かな」と思う時があるんですけど、子どもの気持ちで(ウエアラブル端末を)作っているので・・・」

(隆俊さん)

「本当に見守りしてもらっているって感じがするね。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

実は、私も高齢の父が実家で独り暮らしをしており、毎週私と弟が交代で様子を見に実家に行くようにしています。

そして、アルソックの“見守り”サービスを受けています。

しかし、こうしたサービスは、例えばセンサーでトイレなどを24時間利用していない場合というように、見守りされる側の動きを把握することによってかなり時間が経ってから異常を把握しようとするものです。

また、ポケベルを身に付けて、本人が異常を感じたら警備会社に連絡が行き、すぐに救急車を呼び出すことも出来ますが、こうしたサービスの提供範囲は基本的に自宅内と限定されます。

 

一方、ミツフジで開発中の「シャツ型ウエアラブル端末」は室内外を問わずどこでも高齢者などの見守りをすることが出来ます。

しかも遠く離れた家族もこの端末から送られてくるデータをスマホなどでリアルタイムで見ることが出来るので、いつでも独り暮らしの親の体調を把握することが出来ます。

ですから、三寺さんには、転倒した場合など、より多くの視点から高齢者などがどこにいても見守ることが出来るように「シャツ型ウエアラブル端末」を改良し、少しでも早く実用化していただきたいと思います。

市販化されてば、私も是非このサービスを受けたいと思います。


 
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