2018年10月19日
アイデアよもやま話 No.4151 ありがたい”水没したクルマ”の高額買取り!

災害などで”水没したクルマ”は値段がつかず、廃車にするしかないと思っている方が多いのではないでしょうか。

そうした中、7月16日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”水没したクルマ”の高額買取りについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

西日本豪雨では、真夏の厳しい暑さの中、多くのボランティアが駆けつけ、懸命の復旧作業が続いていました。

そんな中で特に大きな問題になっているのは、悪臭がしたり交通の妨げになったりする大量の粗大ごみです。

中でも大雨で“水没したクルマ”はごみの集積所にも持ち込めず、手の付けられない状態になっています。

 

そうした廃棄も修理も出来ない“水没したクルマ”を買い取る業者があります。

西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島市安芸区では家具や家電製品などはゴミとして大量に廃棄されています。

こうした中、未だ手が回っていないのがクルマ、街中には水没したと見られるクルマがあちらこちらに放置されています。

こうした“水没したクルマ”の中には、ヘッドライトに水が溜まったり、更には車内にもまだ水が残っています。

こうした状況を見て歩いた、水没車や事故車の買い取りを行う株式会社タウの藤久 拓也執行役員は次のようにおっしゃっています。

「もうエンジンはかからないと思います。」

「恐らくディーラーさんに持ち込まれるとお値段はつかないと思います。」

「廃車になると思います。」

 

一般的な販売店が扱わないクルマでも買い取り、ロシアやペルーなどに中古車として輸出します。

 

広島市内に住むYさんは今回の豪雨でクルマが完全に水没してしまい、ディーラーには直せないと言われ、精神的なショックが大きかったと言います。

Yさんが新車で購入したのはマツダCX5で、購入額は約300万円、走行距離は約1万kmでした。

そこでタウに買い取り価格の見積もりを出してもらうと、45万円ということでした。

Yさんは次のようにおっしゃっています。

「他のディーラーや販売店からは1万円とか5万円と言われていたので45万円だったらまだ良かったなと安心しました。」

 

広島県廿日市市の水没したクルマの車両置き場には、タウが買い取ったクルマが並んでいました。

ひと際驚きなのは、土砂がクルマの中に入ってしまっても買い取りの対象になるというのです。

中には助手席のガラスが割れて、車内に土砂が入り込んだクルマや送風口に土がつまった状態のクルマまであります。

運んできたクルマは掃除して査定を始めます。

まずは外装からです。

クルマを見ながらタブレットに記入していきます。

エンジンの状態やへこみなど、チェックするのは50項目、再利用出来る部品を調べて110ヵ国以上に輸出します。

修理などは現地に任せてコストを抑える仕組みです。

藤久さんは次のようにおっしゃっています。

「私たちは世界中に100ヵ国以上の販売ルートを持っているから、こういった事故、あるいは故障で壊れたクルマを高く買い取りさせていただくことが出来ます。」

「少しでもこういったクルマの買い取りの部分で私たちはそういった被害者の方々の支援が出来ればなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

ほとんど評価ゼロ円と思っていた“水没したクルマ”を納得のいくような評価額で買い取ってくれるタウのビジネスは以下の観点からも望ましいと思います。

・“水没したクルマ”を単なる廃車にせず、途上国に輸出して再利用すること

・“水没したクルマ”を修理して安く販売するというビジネスにより、途上国に働く場を提供し、クルマの購入者は低価格で購入出来ること

 

ということで、国内ではコストが見合わずに廃棄ゴミとして処分されるモノでも、途上国など海外への輸出を視野に入れることによって、新しい事業展開が出来、Win−Winの関係を築くことが出来るのです。


 
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