今回は6月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で切り離しても修復可能なプラスチックについて取り上げていたのでご紹介します。
大阪大学では自己修復するゲル状のプラスチックの研究が進められています。
カッターナイフで素材を切り離し、再びくっ付けて7分ほど待つと素材は離れません。
この自己修復のヒミツを分子レベルで見ると、取り外し可能なブロック玩具のような構造になっています。
このためどの場所を切っても、この化学構造が無数に現れるため、ずらせて接触させてもしっかりと修復するのです。
大阪大学の原田 明栄誉教授は次のようにおっしゃっています。
「例えばクルマの場合ですと、コーティングの場合は、傷がついても元に戻る。」
「一旦切れても、またつながる。」
この自己修復能力を持つプラスチックをユシロ化学工業株式会社が今年6月から企業向けに商品名「ウィザードゲル」で販売を始めました。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
前回は自己修復する塗料についてのご紹介でした。
また、アイデアよもやま話 No.3981 世界初、修復可能なガラス!では修復可能なガラスについてご紹介しました。
こうして、プラスチック、塗料、ガラスとそれぞれ修復可能な素材がクルマのパーツとして使用されるようになれば、クルマは傷付きにくくなり、それだけクルマの修理費もかからなくなります。
さて、様々な分野で修復可能な素材の研究・開発が進められているということは、それだけ需要があり、ビジネスに結び付くということです。
やはり“必要は発明の母”と言えるのです。