VR(Virtual Reality 仮想現実)、そしてAR(Augmented Reality 拡張現実)はかなり普及してきていますが、前回はその先にあるMR(Mixed Reality)、すなわち複合現実という技術の持つ様々な可能性についてご紹介しました。
しかし、MRはあくまでも目に見える現実の世界に限定されます。
私たちは目をつぶっていても、いろいろなことを心の中でとりとめもなく思い描いています。
ですから、私たちの活動を最大限に効率よくさせるためには、心の動きに応じた様々な疑問に応える何かが求められるのです。
その何かとは、MRのインターフェイスであるゴーグルに私たちが考えている頭の中の情報を文字に変換出来る機能を追加することです。
また、私たちはよく物忘れをしますが、何かの拍子で思い出すことがあります。
ということは、私たちが意識する、しないに係わらず、頭の中にはこうした記憶域があるわけです。
ですから、更にこうした記憶域にある情報を外部記憶装置に整理したかたちで記憶しておくことにより、私たちは脳の活動を更に効率よくさせ、最大限に活用することが出来るようになるのです。
しかも、ある特定の技術分野において、こうした個人の頭脳の情報が他の人の頭脳の情報、更にはAIと結びつくことにより飛躍的な発展が期待出来ます。
しかし、こうした技術が実際に実用化されれば、いろいろな弊害が出てきます。
もし、頭の中の記憶域にある情報を保管した外部記憶装置を他の誰かに盗み見されるようなことがあれば、究極の個人情報の窃盗になります。
その影響は計り知れませんし、取り返しが出来ません。
ですから、実際にMRの先にあるものが個人の頭の中の記憶と結びつくような技術が実用化されるようなことになれば、その時には個人情報をいかに保護するかが最大のハードルになると思います。