2018年10月09日
アイデアよもやま話 No.4142 複合現実(MR)で働き方改革!?

以前、アイデアよもやま話 No.3874 臨場感あふれる複合現実ライブ!で複合現実ライブについてご紹介しました。

そうした中、6月20日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で複合現実(MR)の現状について取り上げていたのでご紹介します。 

 

今、最先端の技術が更に進化しています。

VR(Virtual Reality)は仮想現実、そしてAR(Augmented Reality)は拡張現実ですが、その先にMR(Mixed Reality)、すなわち複合現実という技術が生まれているのです。

 

まず、VRはゴーグルを着けてコンピューターグラフィックス(CG)の世界に入り込んだかのような体験が出来るという技術です。

ARはスマホなどの端末を使って、実際の風景にCGの映像を重ね合わせるという技術です。

そして、このVRやARの技術を進化させたものがMRという技術なのです。

MRはARのように現実にCGを重ね合わせるだけではなくて、自分の手で空間をタッチして操作することが出来るのです。

このようなMR技術を今、製造現場などで活用する動きが始まっています。

 

6月20日、東京ビッグサイトで始まった3D&バーチャルリアリティの展示会では、多くのブースでゴーグル型の端末をかけた来場者の姿が見えます。

建築物のCGなどを手掛ける株式会社シェルパで、番組キャスターがMR技術を体験しました。

展示ブースの空中に現在の温度や湿度を表示する画面が浮いています。

更にインターネットで情報をクリックするような感じでクリックしたものの詳細が画面の下の部分に表示されます。

温度の画面を指でタップすると、新たに数時間の温度の推移を表す画面が表示されます。

こうして現実とCGの融合画面を操作出来るのがMRの特徴です。

 

その秘密はマイクロソフトがITエンジニア向けに販売するゴーグル型端末「ホロレンズ」にあります。

ゴーグルの前面に付いたセンサーで指の動きを認識して操作出来る仕組みです。

シェルパのCEO、山崎 文章さんは次のようにおっしゃっています。

「かなり可能性を秘めた分野だと思います。」

「まだまだ認知度は低いとは思うんですけど、これからどんどんいろんなサービスを作って受け入れていただくようなかたちで持っていきたいなと思っています。」

 

会場ではMR技術の実用化に向けた取り組みも見られます。

キャノンのブースに展示されているMRシステム「MREAL」のゴーグルの上の角のようなものはブースの上に取り付けられた光学センサーによって頭の位置を検出するための目印です。

このゴーグルを着けると、VRの製造現場とARの現実世界が複合されたかたちで現れます。

これは、MRを活用して自動車工場で効率よく組み立てが出来るかどうかをシミュレーションするものです。

距離感をつかむことによって、作業員の負担を減らす製造ラインの設計が出来るといいます。

 

一方、株式会社ポケット・クエリーズのブースでは、佐々木 宜彦社長が次のようにおっしゃっています。

「これは東京電力さんと共同で研究を進めている発電所の設備点検に使うためのソリューションとなっています。」

「実際には本当の機械があって、そこにセンサーの情報がパネルで浮いて見えるという仕組みになってるんですけども・・・」

 

MRで発電所にある様々な機械のデータの表示や点検個所などを示すことが出来る仕組みで、来年度の実用化を目指しています。

このシステムを使えば、現場で作業マニュアルを確認したり、熟練作業者から遠隔でアドバイスを受けられたりします。

 

ポケット・クエリーズは、ゲームソフトの開発会社です。

ゲーム開発技術がMRのビジネスに欠かせないといいます。

ポケット・クエリーズの佐々木さんは次のようにおっしゃっています。

「今までと違った概念のユーザーインターフェイスが必要になっています。」

「で、ゲームの世界は企画段階で今までにない未来的なものを考えたりするので、ゲーム開発会社がMRに関しては実用ソリューションを展開していくというのが、実はこれから求められている。」

 

このMRは今後様々なビジネスの現場に広がっていきそうですが、例えばアパレルの現場であれば、ゴーグルを通して商品を見ただけで在庫状況を把握することも出来るし、ゴーグルにリアルタイムで指示も出来るので研修などにも活用出来るといいます。

なのでMRで働き方が今後大きく変わっていきそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、あらためて私たちの行動パターンについて考えてみたくなりました。

私たちが行動する際には、遊びにおいても、仕事においても必ず何らかの目的を伴います。

そして、目的達成のために行動を起こすと、分からないことや知りたいことなど、いろんなことが頭の中に浮かんできます。

そのたびに、関連文書を読んだり、周りの人に聴いたり、スマホやPCでネット検索するなどして理解しようとします。

こうした場合、すぐに解決することもありますが、時間がかかる場合もあります。

そして、途中で諦めてしまう場合もあります。

 

実は、今回ご紹介したMRは、こうした私たちの行動パターンの個々のプロセスにおける問題解決のためのインターフェイスとして大いに期待出来るのです。

ですから、MRは働き方改革に限らず、私たちの日々の暮らしにおいてもとても有効なツールとして活用されていくと思われます。

なお、こうしたテクノロジーのベースには言うまでもなくAIやIoTがあるのです。


 
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