2018年09月24日
アイデアよもやま話 No.4129 自動運航船が船舶事故を減らす!?

以前、アイデアよもやま話 No.2593 電池推進船の乗船体験! で電池推進船「らいちょう」による水上交通の社会実験についてお伝えしました。

そうした中、6月1日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で自動運航船の実験について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、世界的に注目されている自動運転技術、私たちの暮らしを大きく変えるかもしれないこの自動化の波が次にやってきたのが自動運航船です。

今、東京海洋大学によって自動運航船の実験船「らいちょう 機廚砲茲觴動運転の実験が進められています、

一見普通の船ですが、船内と屋根の上にカメラとアンテナが取り付けられています。

操縦席には誰もいないのに実験船は海上を進んで行きます。

その秘密ですが、実験船から送られてくるカメラの映像を見ながら、別な場所から遠隔操作しているのです。

ちなみに、この操作に使われているのはテレビゲームで使われているコントローラーです。

Wi−Fiの電波を使っていて、およそ3km離れた地点からでも操作することが出来ます。

東京海洋大学の清水 悦郎教授は次のようにおっしゃっています。

「自律運転は本来障害物を自動で回避してくれる機能があるのが基本なんですが、(船の場合)障害物回避がまだ画像の中から障害物を見つける機能が十分でないので、今現在は障害物をよけるとか、どの方向に進むのかというのは人間が画像とかで判断して、どの方向に向けるのかという指令をゲームコントローラーで送るということをやっています。」

 

さて、昨年発生した船の事故はおよそ2000件、その8割が人為ミスだと言われています。

このような事故を自動運航で減らそうというのです。

更に大型貨物船は数十人の船員が24時間交代で運航業務にあたっているため、自動化で船員の負担と人件費の削減を行えるといいます。

 

しかし、そこにはハ−ドルがあります。

清水教授は次のようにおっしゃっています。

「完全自動で水上バスなど、無人で動く水上交通システムを描いているんですけど、まだ10%、20%いっているかなと言うぐらいの印象です。」

「まだまだ時間はかかりますね。」

 

船の自動運航が難しいのには、ある理由があります。

船の場合、決まったルートを走るわけではありません。

衝突を避けるため、右によけるという基本ルールがありますが、状況によって変わります。

更には、水上には鳥や流木など、様々な漂流物があり、カメラの映像からどれをよけるべきか判断するのは今の技術では難しいといいます。

こういった様々な要因から多くの課題があり、開発が進んでいないのが現状です。

 

こうした中、国が船の自動運航を推し進めようと動き出しています。

6月1日、国土交通省(国交省)は船の自動運航のロードマップを策定しました。

目指すのは2025年の実用化です。

国主導で実用化を進めるのには、ある理由があります。

国交省の大坪 新一郎海事局次長は次のようにおっしゃっています。

「世界の潮流に乗り遅れると、やはり日本の競争力に影響が起きると。」

「それは避けたいなと。」

「世界をリードするためには技術開発も必要なんですけども、基準づくりだとか制度面でも技術開発の動向に応じた制度づくりという面で日本が主導していかなければいけないと思います。」

 

クルマの自動運転では世界から大きく出遅れた日本、船の自動運航ではあらゆる分野で先行することで国際ルール作りでも主導権を握る狙いです。

大坪さんは次のようにおっしゃっています。

「省エネの技術に関しては世界のトップを走っていて、日本の海事産業の武器ではあったですね。」

「ただその省エネ技術もいずれ飽和されますし、だんだん他の国も追いついてきますから、次の差別化の軸が必要・・・」

 

自動運転、クルマは車線や信号がありますが、海は予測不可能なことがあるので難しいということです。

しかし、清水教授は2020年までに短い距離で船の往来が少ない、特区のような場所であれば、まず遠隔での無人運転は可能だといいます。

そのために法律の整備を急ぐ必要があるということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を見ていて感じたのは、今や、陸、空、海での自動運転の実用化に向けてほぼ同時に進行しているということです。

中でも陸上でのクルマの自動運転の実証実験が最も先行しているようです。

また、どちらも運転技術だけでなく、運航上のルールなど制度の整備が伴わなければ実用化には結びつきません。

また、グローバル化された国際社会においては、制度の国際化が必須です。

なので、早急に国際機関による国際的な制度の構築が必要だと思います。

いずれにしても、10〜20年後には陸、空、海の乗り物は全て自動運転が可能な社会になっていると思われます。

更に、少し遅れて宇宙における同様の検討も求められるような時代を迎えようとしているのです。


 
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