2018年08月24日
アイデアよもやま話 No.4103 カセットガスで発電!?

これまで様々な発電方式についてお伝えしてきました。

そうした中、8月6日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でカセットガスによる発電について取り上げていたのでご紹介します。

 

ファンヒーターや加湿器のメーカー、ダイニチ工業株式会社(新潟県新潟市)で開発本部所属の佐藤 浩之さんが、カセットガスを燃やすことで10wの電気を作ることが出来る室内小型発電機を開発中です。

佐藤さんは次のようにおっしゃっています。

「(カセットガスでどのように発電するのかという問いに対して、)この装置(室内発電機)の中に熱を電気に変える部品が入っているんです。」

「小さい子からお年寄りまでどんな方でも使えるようなサイズと重さを意識して今回開発を行っております。」

 

この熱を電気に変える部品は、ガスの炎の側面に仕込まれており、炎で片面を熱し、反対側の面を冷やすことで面と面の間の温度差によって電子が活発に動いて、その動きで電気を発生させているのです。

この室内小型発電機は重さ、3.8kgで、カセットガス1本で約6時間発電します。

エンジンで発電するのと違い、排気の必要もありません。

この発電機があれば、扇風機だけでなく、照明を点けたり、スマホを充電することも出来ます。

ですから、災害時に役立ちそうです。

 

実は、この発電機、入社6年目の佐藤さんが一人で開発をしました。

今、残っている課題として、発電する時に少しゴォーという音がしてしまうのでその音を小さくすることと、パソコンの充電にも使えるように発電出力を現在の10wから30wくらいにすることだということです。

 

また、この発電装置の開発のきっかけは、社内で発電機を作りたいという企画があって、それを佐藤さんがやりますということで立ち上がったプロジェクトで、用途をこれからも探していきたいということです。

 

なお、この「室内用カセットガス発電機」(仮称)の価格・発売日は未定です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したカセットガスによる発電装置は、原理的にはアイデアよもやま話 No.3717 夢の海中都市 その1 技術的に既に実現可能な海中都市!でご紹介した温度差発電のようです。

 

さて、本来、HEMS(参照:アイデアよもやま話 No.3362 EVの普及に向けて その7 HEMSの標準化の必要性!)が本格的に普及して、各家庭にバッテリーが導入されれば、災害時などの停電でも緊急用電源が確保されます。

しかし、まだ当面はバッテリーの価格が高いことから普及は進みません。

そうした中、カセットガスという身近な機器で発電出来れば、いざという時のささやかな一般家庭用電源、あるいはアウトドアの電源として役立ちます。

ですから、是非、ダイニチ工業には、安価で安全性が高く、いざという時にパソコン用電源としても使用出来る「室内用カセットガス発電機」を開発していただきたいと思います。


 
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