2018年08月14日
アイデアよもやま話 No.4094 激安の野菜直売所!

8月7日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で激安の野菜直売所について取り上げていたのでご紹介します。

 

今夏、猛烈な暑さの影響が色濃く出たのが野菜の価格です。

都内のスーパー、生鮮市場 アキダイ(東京都練馬区)では、夏野菜が並ぶ中、きゃべつが1個238円で売られています。

平年、このスーパーでは98円で販売しているといいますが、猛暑と雨不足の影響でおよそ2.5倍となっています。

アキダイの秋葉 弘道社長は次のようにおっしゃっています。

「7月、8月の前半までは野菜は安くてしようがない。」

「今まで30年以上この業界にいて、高かったためしがない。」

「一時的に「この品物が高い」というのはあるけど、こんなにいろいろな品目が高くなったり、長期的に上がるのはまずないので、何を特売していいか分からないような心配。」

「品物が揃わないという状況ですね。」

 

本来、この時期安く買えるはずの夏野菜が軒並み値上がりしています。

猛暑に加え、西日本豪雨や東北・北海道の大雨でだいこんやかぼちゃも産地からの供給が減っています。

 

野菜が高騰する中、注目されるのが農家が直接運営している野菜の直売所(茨城県古河市)です。

その価格はどれでも100円です。

都内のスーパーで200円以上で売られていたきゃべつを始め、トマトもきゅうりも、こちらでは全て100円です。

鈴木農園の鈴木 弘晃さんは次のようにおっしゃっています。

「(一般的にトマトは)おしりが青い状態で収穫してスーパーに並ぶようなかたちになるんですけど、うちのは木に生っている状態でハウスで真っ赤にしてから(直売所に)陳列しますので、味が全然違うのかなと思います。」

 

しかし、こうした激安の直売所は見つけづらいことが難点です。

そうした中、YACYBER株式会社を立ち上げた唐澤 太郎社長は次のようにおっしゃっています。

「なかなか直売所というのが地元の人しか分からない場所にあったりとかしていたので、地元の人以外の方にも分かるようにこういったアプリを作らせていただきました。」

 

唐澤さんがつくったのがYACYBERというアプリです。

自分の位置から半径10kmの直売所を検索することが出来ます。

現在は、東北から沖縄まで約1000軒の直売所が登録されています。

アプリには、販売している野菜の写真や価格の情報を掲載しているので、どんな商品が販売されているかも確認することが出来ます。

実際に、このアプリを使って、番組キャスターが直売所を探してみると、ちょっと分かりにくいでした。

というのは、直売所と言っても農家の自宅の軒先などに野菜が置かれているからです。

アプリには、こうした一目では分からないような、地元密着型の直売所が多く登録されています。

番組キャスターが訪れた農家、沖田 和雄さん宅の直売所では、エゴマやキンジソウ、更には高知県の特産品でもあるリュウキュウなど珍しい野菜を100円程度で購入することが出来ます。

沖田さんは、こういった珍しい野菜を作っていますが、今まで知ってもらえる機会は少なかったそうです。

沖田さんは次のようにおっしゃっています。

「私なんかが宣伝するのは不可能や。」

「特に今の若い人たちはみんなネットでしょ?」

「(アプリで来てもらえれば、)人に話すしね。」

「茨城の山奥に沖田というバカがおったと。」

「変わっているから行ってみようかと。」

 

今後、唐澤さんは、こういった小さな直売所をより身近にするアプリとして展開したいと考えており、次のようにおっしゃっています。

「自宅兼直売所みたいなものが多いんですけども、逆にそれが弊社の強みだと思っておりますので、(お盆休みに)宝探しみたいな感じでやっていただくと本当にお宝が見つかるかもしれないので・・・」

 

キズがついた野菜は、今までスーパーに卸せなくて廃棄していたそうですが、直売所ではよく売れるといいます。

ですから、消費者は新鮮な野菜を安く買うことが出来、直売所はWin−Winなシステムだと番組では伝えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したアプリ、YACYBERも農家と消費者を直接つなぐ、インターネットを最大限に活用したサービスだと思います。

また、これまで廃棄していたキズついた野菜も、一般的な消費者が自宅で食べる分には気にしません。

しかも安く買えればありがたいのです。

一方、農家では廃棄しなくて済むのですから、農家にとってもありがたいのです。

 

ここで思い出すのは、外房・勝浦の漁港に面している私の実家の近くにある魚介類の卸業者です。

この卸業者は、自宅での直売もしております。

新鮮で価格もリーズナブルなので、私もたまにサザエを購入しております。

他にも、零細な干物業者が点在しており、私はそのうちのあるお店の常連客となっており、買いに行くたびにちょっとした世間話をしております。

しかし、こうしたお店がどこにあるかは、旅行などで訪れた方にはとても分かりにくいのです。

 

ですから、YACYBERのようなアプリで野菜に限らず、魚介類などを扱っている直売所も全国的に対象を広げていくことにより、旅行者にとってもこうした零細業者にとっても思わぬ出会いの場を提供し、地域の活性化にも貢献出来ると大いに期待出来ます。

まさに“三方良し”だと思うのです。

 

こうして考えを進めると、やはりインターネットの本質は、全く接点のなかった人、あるいは企業などに出会いの場を提供する“コミュニケーション革命”だとつくづく思うのです。

こうした出会いから地球規模で様々な可能性が広がっていくのです。

そして、こうした出会いから始まるコミュニケーションにとって、多言語自動翻訳機は必須ですが、この分野もどんどん進化しています。

ですから、まだまだこれからもネット社会は進化し続けるのです。


 
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