2018年07月30日
アイデアよもやま話 No.4081 国会議員定数増に思う現政権の危機感のなさ!

日本の国会議員の定数の多さについては、アイデアよもやま話 No.2585 消費税増税の前にやるべきことがあるのでは?アイデアよもやま話 No.2829 日本はアメリカの約5倍の予算を国会議員の歳費に投入!でお伝えしました。

また、アイデアよもやま話 No.4069 現実離れした国の“かかりつけ薬局”政策!で現実離れした国の“かかりつけ薬局”政策についてお伝えしました。

そうした中、7月12日(木)付け、および7月19日(木)付けの読売新聞の朝刊記事で今回の改正公職選挙法成立について取り上げていたのでご紹介します。

 

参議院の定数を6増やす公職選挙法改正案が7月12日の参議院本会議で可決され、衆議院に送られました。

この法案は参院選での合区対象県の候補者救済などを目的として自民党が提出したもので、野党側は「議員を増やすのは時代に逆行する」などと採決に反発していましたが、自民党が押し切りました。

そして、7月18日、衆院本会議で与党(自民党、公明党)による賛成多数(賛成304、反対147)で可決、成立しました。

 

今回の改正公職選挙法のポイントは以下の通りです。

・参院の総定数は6増の248に

・比例選は定数を4増の100とし、他候補より当選が優先される「特定枠」を創設

・埼玉選挙区の手汚数は2増の8に

・2019年夏の参院選から適用

 

以上、記事の内容の一部を抜粋してご紹介してきました。

 

そもそも国民が期待する国会議員の役割とは何かについて、私なりに以下にまとめてみました。

・時代の状況に応じて、憲法の見直しを図り、必要に応じて改定すること

・時代の状況に応じて、国の進むべきビジョンを検討し、その結果を国民に提示すること

・そのビジョンに沿った政策を検討し、官僚にその政策の実現を指示し、実現に責任を持つこと

・その際、必要に応じて関連法案を改定、あるいは新規に作成し、成立させること

・こうした一連の活動に際し、AIなどその時代の最先端のIT(情報技術)を最大限に生かし、世界でトップ級の生産性において公務を果たすこと

・同時に、官僚に対しても世界でトップ級の生産性において公務を果たすように指示すること

・国会議員、あるいは官僚の公務の生産性における国際的なベンチマークを定期的に実施し、他国の優れた制度や方式は速やかに取り入れ、常に世界でトップ級の生産性の維持に努めること

・更に、こうした優れた日本の国会議員や官僚の公務活動について、積極的に途上国を中心に支援することにより、国際貢献を図ること

 

以上、国民が期待する国会議員の役割についてまとめてみましたが、これに照らして今回の改正公職選挙法成立をみると、大所高所から国会議員定数はどうあるべきかという観点が完全に抜け落ちており、現政権には国家的な財政難に対して議員定数を出来るだけ削減すべきであるという危機感が欠如していると言わざるを得ません。

ただでさえ少子化が進み、国民の人口減に対応して政治の世界もコンパクト化が求められるのです。

しかも、そのコンパクト化を支援する様々なテクノロジーもどんどん進化しています。

 

ということで、政治家の皆さま、特に政権運営を担われている現政権、すなわち自民党の国会議員の方々には、現状の細かい枠内での議員定数の増減を検討するのではなく、手始めに海外の事例を参考にして国会議員の定数削減に向けた抜本的な改革を進めていただきたいと思います。

そして、こうした検討を経た定数削減法案は必ず成立します。

なぜならば、国民の大多数がこうした取り組みを待ち望んでおり、野党もこうした法案に反対出来ないからです。


 
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