3月28日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で仮想通貨イーサリアム(ETHEREUM)を生んだ若き天才について取り上げていたのでご紹介します。
現在、時価総額でビットコインに次いで第2位と急拡大しているイーサリアムですが、番組ではその創業者、ヴィタリック
ブテリンさん(24歳)に取材しました。
3月28日、都内で開かれたイーサリアムの交流会で次のようにおっしゃっています。
「イーサリアムの一番良い点は、いろいろなことに活用出来るところです。」
イーサリアムの時価総額はキャノンやみずほフィナンシャル・グループと並んで約5兆円です。
2014年に誕生し、今ではビットコインに次ぐ第2位と急拡大を続けています。
イーサリアムを生んだ若き天才の声を聴こうと、約400人の参加者が熱心に耳を傾けていました。
17歳の時にビットコインと出会ったブテリンさんは、19歳の時にビットコインにブロックチェーンの技術がどう使われているのかを知るため世界中を旅したことがイーサリアムを生み出すきっかけになったといいます。
ヴィタリックさんは、次のようにおっしゃっています。
「ビットコインの仕組みは、その維持と運営のためだけに設計されました。」
「イーサリアムは、通貨だけでなく他のアプリケーションでも使えるようにしました。」
「ビットコインは1日20万件しか取引していません。」
「(それに対して、)イーサリアムは1日70万件取引しています。」
「ビットコインでは出来ないことがイーサリアムなら出来るのです。」
ビットコインはブロックチェーンを使って仮想通貨の取引のみ記録することが出来ます。
それに対して、イーサリアムは仮想通貨のやり取りだけでなく、契約の自動執行なども出来るので、様々な企業間取引が期待されています。
イーサリアムの活用を目指す企業連合にトヨタの子会社をはじめ、KDDIや三菱UFJフィナンシャル・グループなども参加、業界では仮想通貨の主役がビットコインからイーサリアムに代わるのは時間の問題との声もあります。
現在、1500種類以上あるとされる仮想通貨ですが、ヴィタリックさんはその多くは淘汰されると見ており、次のようにおっしゃっています。
「昨年出来た仮想通貨の半分は潰れています。」
「質の低いものが多いですが、可能性のあるものは成長するでしょう。」
「イーサリアムで多くの人を助けるものが生まれればいいと思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
仮想通貨、およびその関連技術であるブロックチェーンについては、以前アイデアよもやま話 No.4025 大きな可能性を秘めるブロックチェーン!でお伝えしましたが、ブロックチェーンの活用レベルは以下のようです。
ブロックチェーン1.0 仮想通貨
ブロックチェーン2.0 送金や決済(金融の世界)
ブロックチェーン3.0 著作権保護
流通経路の記録
遺言・相続 など
そしてビットコインをはじめ多くの仮想通貨のブロックチェーンの活用レベルは1.0のようです。
ところが、今回ご紹介したイーサリアムのブロックチェーン関連技術は活用レベルを3.0までを可能にすると見られています。
ですから、現在は世界的に仮想通貨に関心が集まっていますが、今後はブロックチェーンをいかに活用したサービスを展開していくかに関心が移っていくと思われます。
そして、ブロックチェーン関連技術が新たな技術革新をもたらし、ビジネスのあり方を大きく変えると期待されます。
それにしても、2014年に誕生したイーサリアムが、今ではビットコインに次ぐ第2位と急拡大を続け、その時価総額はキャノンやみずほフィナンシャル・グループと並んで約5兆円という規模になっていることには驚きです。
このように今後とも世界中の優れた若い人たちが新しい技術とビジネスモデルを誕生させて、第2、第3のイーサリアムのようなベンチャー企業が登場してくると見込まれます。
インターネットは、これまでも大きく私たちの暮らしを変えてきましたが、AIやロボット、IoTなどの技術進歩と相まってまだまだこれから更に私たちの暮らしを変えてくれるものと期待出来ます。