2018年06月25日
アイデアよもやま話 No.4051 ソフトバンクグループによる太陽光発電事業への世界的な巨額投資!

以前、アイデアよもやま話 No.2515 ソフトバンクに期待出来る再生可能エネルギー発電の普及! で、ソフトバンクの再生可能エネルギー発電への取り組みについてご紹介しましたが、6月15日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でソフトバンクグループによる太陽光発電事業への世界的な巨額投資について取り上げていたのでご紹介します。

 

ソフトバンクグループは、インドでの太陽光発電事業に巨額の投資をする方針を固めました。

関係者によると、ソフトバンクはインド政府の支出額に応じて日本円で最大6兆円〜10兆円の投資を提案していて、両者は最終的な調整を進めた上で、近く正式に合意する見通しです。

投資資金について、ソフトバンクは昨年5月にサウジアラビアの政府系ファンドから出資を受けて設立した運用額10兆円規模のファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」から拠出する方針です。

インドのモディ政権は、深刻な電力不足解消のため、日照に恵まれた環境を生かし、太陽光発電の普及を進める方針を掲げていて、今回の事業では発電に加えて太陽電池パネルなど関連設備の開発や生産の分野も含まれるということです。

 

なお、ソフトバンクは今年3月にもサウジアラビア政府と総額2000億ドル、日本円で20兆円を超える資金を投じて、世界最大規模の太陽光発電事業を共同で進めることに合意しており、エネルギー分野への投資を世界規模で加速させる姿勢を鮮明にしています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

なお、ネット関連記事(こちらを参照)によると、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長とサウジアラビアのムハンマド皇太子は3月27日(日本時間28日)に記者団と会見し、世界最大となる計200ギガワットの太陽光発電事業をサウジアラビアで始めると明らかにしました。

太陽光パネルの工場も同国内に設けるといい、2030年までの総事業費は計2千億ドル(約21兆円)規模にのぼるといいます。

 

ここでも「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が資金を拠出し、まず約50億ドルを投じ、2019年までに2つの太陽光発電所(計7.2ギガワット)をつくるといいます。

 

ここでもインド同様に、パネルなどの発電設備の生産は、順次サウジ国内での生産に切り替えるといいます。

また、エンジニアの教育・訓練施設も設けて、2030年に向けて徐々に規模を拡大する意向です。

サウジアラビアに10万人の雇用を生み、同国の国内総生産(GDP)も120億ドル増える効果があるといいます。

 

以上、ネット関連記事の一部をご紹介してきました。

 

これまで何度かお伝えしてきたように、世界規模で持続可能な社会を実現させる上では、一部の国だけが真剣に取り組んでもあまり効果は期待出来ません。

一方で、持続可能な社会の実現に向けて、非常に関心の高い国とそうでない国には温度差があります。

先進国の中でもEU諸国は相対的に関心が高く、アメリカはトランプ政権になってから経済優先で関心が低くなってしまいました。

一方、中国は自国内の環境汚染の悪化に伴う、政府への国民の非難の声を抑える必要性もあって、化石燃料から再生可能エネルギー発電へのシフトやガソリン車からEV(電気自動車)へのシフトが急速に進んでいます。

では日本はどうでしょうか。

福島第一原発事故後も“原発依存体質”が抜け切れず、いまだに再生可能エネルギー依存へのシフトに対して歯切れのよくない曖昧な政策が続いています。

 

こうした中で、持続可能な社会を一気に実現させる特効薬はありませんが、ベターな道はあります。

それは、再生可能エネルギー発電の導入意欲の高い国々での普及です。

今回ご紹介したインドは電力不足の解消を大きな課題の一つとしている国で、まさに対象としてはうってつけです。

一方、やサウジアラビアは原油の産出国ではあるものの、将来的な原油の枯渇対策として真剣に再生可能エネルギー発電へのシフトに取り組んでいます。

また、こうした地域に単に再生可能エネルギー発電設備を輸出するだけでなく、導入先の国に再生可能エネルギー発電生産設備を設置して、現地の人々を従業員として雇用すれば、経済の活性化にも貢献出来るのです。

 

こうした観点からすると、今回ご紹介したソフトバンクの取り組みは実に理に適っていると思います。

自国の国家安全保障のために、他国からの侵入の抑止力としてある程度の武力を確保することも重要ですが、双方ともに“WinWin”の関係を促進する経済支援を推進することは、両国の良好な依存関係を高めます。

そして、依存関係が高まれば高まるほど、双方はお互いに“無くてはならない存在”になっていきます。

こうした依存関係を世界各国と築いていくことこそ、平和国家、日本の国家安全保障対策の柱とすべきだと思います。

 

ということで、優れた経営力のあるソフトバンクには是非こうした取り組みを世界規模で今後とも展開していただきたいと思います。

同時に、日本政府もこうした企業活動を側面から支援していただきたいと思います。


 
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