3月19日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で画期的な真空パックについて取り上げていたのでご紹介します。
スーパーやコンビニで並ぶ肉や魚などの陳列を変えるかも知れない真空パック技術が三井・デュポン
ポリケミカル株式会社により開発されました。
どんなかたちのものでも真空パックに出来るというフィルム素材です。
この素材は「ハイミラン」と呼ばれるもので、通常真空パックで使うポリエチレンと違い、強度と収縮性を併せ持っています。
ちなみに、「ハイミラン」自体は1960年代から開発された樹脂といいます。
「ハイミラン」元々ゴルフボールなどのコーティングなどに使われていた素材なのですが、それを新たに食用品の真空パックに使うというのです。
その強度の凄さですが、通常使うポリエチレンでウニを密封してみると、ウニの刺が突き抜けて真空にはなりません。
ところが、今回ご紹介している新しい真空パックでは刺の先までフィルムに包まれていて、しっかりと真空パックに出来ています。
更に柔らかい豆腐では通常つぶれてしまうのですが、優しく包み込んでいます。
既にヨーロッパでは、食料品の陳列が“置く”から“つるす”に変わりつつあるといいます。
更にスーパーなどで使われているラップと比べると2週間ほど鮮度が長持ちするといいます。
この新しい真空パックのメリットについて、三井・デュポン ポリケミカルの服部 秀隆さんは次のようにおっしゃっています。
「例えば縦に陳列してもいいし、ヨーロッパではつるして陳列されたりしています。」
「鮮度保持が出来るのであれば、長期間、数日間はコンビニでも陳列出来るようになって。」
「そうすると、コンビニにも生肉が置かれる日が来るかも知れないなと思っております。」
これまではスーパーのバックヤードで肉を切ってパックしていたのですが、今回の真空パックだとセンター工場でパックしたものをスーパーに届けられるということで、流れが変わるので、スーパーのバックヤードの人手不足も解消出来ると期待されています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介した真空パックは、スーパーやコンビニなどで扱う肉などの生もの商品におけるバックヤードのプロセスの改善、および商品の賞味期限の延長をもたらすという点で“パック革命”をもたらすと期待出来ます。
更には、店頭や家庭内の冷蔵庫の“食品ロス(フードロス)”の改善にも貢献出来ますから、今後ともいろいろな分野から引き合いがあると思います。
それにしても不思議なのは、なぜ「ハイミラン」自体は1960年代から開発された樹脂なのに、開発から60年近くも経ってから食用品の真空パックに使われるようになったのでしょうか。