2018年06月18日
アイデアよもやま話 No.4045 ボストン・ダイナミックスに見るロボット開発最前線!

3月15日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でロボット開発の最前線 について取り上げていたのでご紹介します。 

 

身体の向きを変えると宙返りしてポーズを決める人型ロボット(こちらを参照)やドアを開ける犬型ロボット(こちらを参照)など、こうした常識を覆すようなロボットを生み出して世界に注目されているのがアメリカのベンチャー企業、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミックス)です。

なぜこのようなロボットが作れたのか、ボストン・ダイナミックスCEOのマーク・レイバートさんは次のようにおっしゃっています。

「(最も大切にするキ−ワードについて、我々は)「Build it Break it Fix it(作って、壊して、直す)」という原則を掲げています。」

 

「別にロボットに意地悪をしているわけではありません。」

「テストの一環で、どこまで対応出来るか試しているだけです。」

「こうすることでロボットが想定外の事態にも対応出来るようになるのです。」

 

「長い目で見れば、人と係わり合う場面への応用が重要になります。」

「役に立つのがお年寄りや障害者の介助です。」

「ロボットで生活の手助けが出来ればと思います。」

「重要な分野だし、実現可能なはずです。」

 

この会社のロボット開発は常識に囚われません。

高額な人型ロボットは丁寧に扱うのが一般的ですが、想定外の経験をさせることで様々な環境に適用出来る頑丈さや器用さを追求しています。

こうした技術を生かして将来レイバートさんが目指しているのがロボットと人間の共生です。

人間に近づき、人間を超える能力を持ち始めたようにも見えるロボットたちですが、人に危害を加えるなど、悪用されることはないのでしょうか。

マーク・レイバートCEOは次のようにおっしゃっています。

「あらゆる技術と同じように、ロボット技術はよい目的にも悪い目的にも使われる可能性があります。」

「新しい技術は役立つと確信していますが、どう使うかは人間次第なのです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

動画を見ても分かるように、恐らくボストン・ダイナミックスはロボット関連技術では世界の最先端を走っている企業ではないでしょうか。

そして、時代が進むとともにAI(人工知能)との組み合わせにより限りなく人間の動作に近づいていき、あらゆる分野で活用されるようになっていくことは間違いありません。

しかも、ロボットは人間と違って疲れを知りません。

ですから、24時間、365日働き続けることが出来ます。

しかも指示通り正確にです。

ですから、生産性、および品質の比較で言えば、圧倒的に人間よりも優れた存在になります。

 

しかし、マーク・レイバートCEもおっしゃっているように、よい目的にも悪い目的にも使われる可能性があり、どう使うかは人間次第なのです。

よい目的に使われれば、私たちの暮らしは格段に向上します。

しかし、殺人や戦争など悪い目的に使われれば、人間の手を煩わさずに簡単に人の命を奪ってしまうことが出来ます。

 

ですから、ロボットに限らずAIの活用の場が広がるとともに、それに合わせて人間のモラル向上や法律などで悪い目的での使用を抑制するような仕組みが求められるのです。

こうした取り組みをおろしかにしたまま、ロボットやAIの活用が進めば、豊かな社会の一方で、私たちの意に反して殺伐とした面を持つ社会の到来を招くことになってしまうのです。


 
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