2018年06月17日
No.4044 ちょっと一休み その651 『SNSを通じて発覚した日大アメフト選手の“悪質タックル”!』

アメリカンフットボール(アメフト)の定期戦で、関西学院大学のクオーターバック(QB)が日本大学の選手から悪質なタックルを受けて負傷した問題では、その状況を捉えていた動画がいろいろなテレビ番組で繰り返し映し出されていました。

どんな理由であれ、誰が見てもこのタックルは悪質なものだと感じたと思います。

そして、このタックルはスポーツの域を超えて、明らかな傷害事件だと感じました。

また、無防備な状態で背後からタックルを受けて負傷した選手は再起不能になるのではと私もとても心配になりました。

しかし、その後の報道ではこの選手は既に練習に参加するほど回復したというので、さすがにアメフト選手の身体は日頃から頑丈に鍛えられているのだなと感心しました。

 

さて、このあり得ないような“悪質タックル”の動画ですが、この動画がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にアップされていなかったら闇に葬られていた可能性が高いというのです。(詳細はこちらを参照)

今や、SNSは世界中に普及し、有名人のみならず、多くの無名の人たちが身近に起きたこと、あるいはふと感じたことなどを文字だけでなく動画を交えて発信しています。

そして、既存のテレビ番組や新聞、週刊誌などのマスコミもこの情報を参考にするほど、無くてはならない存在となっています。

特に事故や事件の現場を捉えた動画などの場合は決定的な証拠として、あるいは容疑者の特定に大いに役立ちます。

 

今回の“悪質タックル”の場合も、5月17日に兵庫・西宮市内で鳥内秀晃監督(59)とともに“怒りの会見”を開いた関学大の小野宏ディレクター(57)は、夕刊フジの取材に「試合当日は、私もスタンドで見ていたが、視界から完全に離れたところで起こったので、誰1人気づかなかった」と明かしたといいます。

しかし、当該プレーの動画がSNSを通じて拡散し、夜には関学大アメフト部関係者の耳に入ったのです。

このことが発端となり、今回の“悪質タックル”が表面化し、動かぬ証拠となり、大きな社会問題として取り上げられるようになったわけです。

もし、この動画がなければ、「言った、言わない」の世界で終わってしまった可能性があります。

ひょっとしたら、この“悪質タックル”を指示した日大関係者はこうした動画の怖さを認識していなかったのかも知れません。

 

さて、もし私たち一人ひとりのあらゆる行動が監視カメラで監視されるようになったら、とても息苦しい社会になってしまいます。

また、個人のプライバシーに係わる内容がSNSに一旦投稿されてしまうと、どこまでその情報が拡散されてしまうか分からず、その内容を完全に消し去ることはほぼ不可能と言われています。

ですから、内容によっては、こうした情報に一生苦しめられる人も出てくるのです。

しかし、一方では障害事件や事故などに関する動画や音声があれば、動かぬ証拠となり得るのです。

ですから、SNS、およびカメラ機能を持つスマホ、監視カメラやドライブレコーダーの普及には多少なりとも犯罪行為の抑止効果が期待出来ます。

こうした抑止効果を期待して、一部の電車内では痴漢防止のために監視カメラを設置したと報じられています。

 

このように、様々な情報が集約されるSNSにはメリット、ディメリットがありますが、間違いなくSNSは“国民総記者社会”、あるいは“国民総監視社会”をもたらしたと思います。

SNSは誰もが報道記者、あるいは報道カメラマンになり得る時代をもたらしたのです。

そういう意味では、SNSは“報道革命”、あるいは“監視革命”をもたらしたとも言えます。


 
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