ブロックチェーンについては以前アイデアよもやま話 No.3910 IoTの具体的なかたち ― ブロックチェーン!でご紹介しましたが、2月28日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で最新のブロックチェーン関連情報について取り上げていたのでご紹介します。
ブロックチェーン業界は急速なスピードで成長しており、人材の獲得が急務といいます。
仮想通貨が急速に普及したことから、これを支える技術、ブロックチェーンを扱える人材が今求められています。
コインチェックから仮想通貨NEMが流出した事件では、安全を確保する重要性があらためて認識され、各社は今技術者の確保に躍起になっています。
さて、ブロックチェーンのニーズは増々高まっていきそうですが、そもそもどんな特徴があるのでしょうか。
番組コメンテーターで大和総研チーフエコノミスト、熊谷 亮丸さんは次のようにおっしゃっています。
「イメージとしては、仮想通貨のイメージが強いんですが、そもそもブロックチェーンというのはデータだとか取引の履歴を記録・管理する新しい技術のことなんですね。」
その特徴は以下の通りです。
1.障害に強いこと
2.改ざんされにくいこと
3.運用コストが低いこと
また、その活用方法は以下の通りです。
ブロックチェーン1.0 仮想通貨
ブロックチェーン2.0 送金や決済(金融の世界)
ブロックチェーン3.0 著作権保護
流通経路の記録
遺言・相続 など
「例えば、著作権の管理ですが、これはミュージシャンなどが使っていて、著作権だから改ざんされにくいということが非常に大きなメリットなんですね。」
「それから流通経路の記録はトレーサビリティなどと言いますが、例えばアメリカのウォールマートが中国に今400以上のお店を持っている。」
「その時に豚の子の流通経路を追跡したいということがあるんですが、これをブロックチェーンで試験的にやってみたら、それまで26日かかっていたのがわすか数秒で出来るようになったと。」
「そういうことがありますね。」
「更には、遺言だとか相続、これもまさに改ざんされたら大変なことになるんで、その辺りを含めてこれからは3.0のところがまだまだ拡大していくと。」
「(そうすると、まだまだ技術者も必要ではないかという指摘に対して、)日本はIT(情報技術)の技術者、更にはブロックチェーンの技術者が少ないので、これをどんどん育てることが必要だと思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
ブロックチェーンというと仮想通貨のイメージが強く、しかも仮想通貨NEMの流出事件に象徴されるように、安全性に問題があると一般的には思われているのではないでしょうか。
しかし、番組を通して感じることは、ブロックチェーンはいろいろな分野に適用出来、しかも生産性向上につながる大きな可能性を秘めているということです。
また、こうした新技術に伴い、新しい労働市場が生まれるのが世の常なのです。
実際に、ブロックチェーン関連の労働市場は需要過多で、企業間における人材の奪い合いが激しいといいます。
ですから、番組でも指摘されているように、今後ともブロックチェーン業界は急速なスピードで成長していき、それに関連した技術者もかなり生まれてくるはずです。
なお、ブロックチェーンの安全性については、明日の「プロジェクト管理と日常生活」のテーマとして取り上げます。