2018年05月21日
アイデアよもやま話 No.4021 中国で大人気、日本発のスマホゲーム「旅かえる」!

2月17日(土)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で中国で大人気の日本発のスマホゲーム「旅かえる」について取り上げていたのでご紹介します。

 

日本発のスマホゲーム「旅かえる」 、主人公はかえるです。

食事や持ち物など、旅支度をしてあげると、自由、気ままな旅に出かけます。

行先は温泉地など、日本の観光名所で、旅先から写真が送られてきます。

特産のお土産も持ち帰ってくれます。

昨年11月の登場以来、ダウンロード数は3500万を超え、その9割以上を中国が占めているといいます。

日本語版しかないにもかかわらず、異例の大ヒットとなっており、その人気ぶりに中国語版の偽物まで登場しました。

シミュレーションゲームの枠を超えて、中国では社会現象になっています。

 

なぜかえるは中国で若者の心をつかんでいるのでしょうか。

陳 俊彦さん(29歳)は、競争の激しい金融業界で働いています。

週末に仕事が入ることも多く、この1年以上個人で旅行する余裕もありません。

友達と過ごす時間もなく、寂しさも募る中、かえるの存在に癒されているといいます。

陳さんは次のようにおっしゃっています。

「かえるは自分の代わりに旅行に行っている感じで、このゲームはとてもリラックス出来るんだ。」

「これは名古屋城の写真、機会があれば名古屋で写真を撮ってかえるの写真と並べてみたい。」

 

ゲームを通じてこれまで訪れたことのなかった日本へ旅行してみたいと思うようになりました。

ある中国の旅行会社には、かえるが訪れた場所へ行きたいという問い合わせが相次いでいます。

中国のある旅行サイトによると、このゲームに登場する名古屋城への旅行希望者が3倍に増えているということでした。

こちらの旅行会社の広報担当の羅 碧琳さんは次のようにおっしゃっています。

「かえるが遊びに行った所を見て、自分も行ってみたいと思うようになって、日本の文化や観光地を理解したいという関心が高まっています。」

「かえるは有名な観光地だけでなく、地方の小さな街にも行っています。」

「そういった場所も観光ルートに加えたいと思っています。」

 

かえるが訪れる場所の中には、例えば秋田の入道崎や京都の天橋立など、中国ではまだあまり知られていない所が含まれていて、この旅行会社では新たな需要を掘り起こせると考えています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

この番組を見てまず感じたのは、海外からの日本への旅行客、すなわちインバウンドの誘致用宣伝として、今回ご紹介したスマホゲーム「旅かえる」は行政機関などが行うありきたりの宣伝よりも遥かに効果を発揮しているということです。

日本語版にも係わらず、ダウンロード数は3500万を超え、その9割以上を中国が占めているといい、しかも中国語版の偽物まで登場しているというのですから驚きです。

 

このスマホゲームの大ヒットで思うのは、こうしたシミュレーションゲームをうまく活用することは、これまでの一般的な宣伝方法に比べて遥かに人の心の中に入っていけるということです。

ですから、「旅かえる」のようなシミュレーションゲームの世界各国版を作成して展開すれば、国内外の人たちの海外旅行ブームを巻き起こして、世界的な経済効果をもたらすと大いに期待出来ます。

更に「旅かえる」をより進化させることにより、世界規模でゲーマーに各国の文化など様々な姿を理解してもらうツールとしてとても有効だと思います。

なお、この基本的な考え方は歴史の教材などにも適用したらいいのではないかと思います。


 
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