2018年05月14日
アイデアよもやま話 No.4015 世界が熱狂、eスポーツ!

eスポーツとは、まだ耳慣れない言葉ですが、2月17日(土)放送の「週刊ニュース深読み」(NHK総合テレビ)によれば、新たなスポーツ、eスポーツの競技人口は既に世界で1億人以上で、億単位という高額な賞金の大会も開催されるなど、人気スポーツの一つとして位置付けられるまでになっています。

そうした中、2月13日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でもeスポーツについて取り上げていたのでご紹介します。

 

eスポーツとは、競技としてコンピューターゲームの腕を競い合うというものです。

オリンピックへの正式種目への採用を目指す動きもあるほどですが、そうした中、日本初の公認プロが誕生しました。

2月10日〜11日に千葉県幕張メッセで開催された日本最大級のゲームのイベント、注目は利用者数4000万人以上の人気スマホゲーム、モンスターストライクの対戦です。

これもeスポーツなのです。

大会ルールとして、4人1組で対戦し、トーナメントを勝ち抜いた優勝チームが日本初のプロの選手として認定されるのです。

プロの認定をしているのは、2月に設立されたばかりの新団体、日本eスポーツ連合「JeSU」です。

より多くの人に分かり易い本物のプロを作ろうと、今回初のプロ認定大会を実施したのです。

「JeSU」の浜村 弘一副会長は次のようにおっしゃっています。

「eスポーツを普及させるためには、選手が輝かなければファンが出来ないですよ。」

「ファンをつくるためには、選手が活躍する場が沢山ないといけない。」

 

これまで日本は、法規制で高額賞金が出しづらいことから、選手の活躍の場が限られていたといいます。

しかし今回、公的な団体が選手の技術の高さを評価し、プロとして認定することで、メーカーが報酬として賞金を出せるようになったといいます。

他にも、格闘ゲームの「ストリートファイターV アーケードエディション」、「鉄拳7」、「ウイニングイレブン 2018」など6タイトルからプロが認定されました。

 

一方では、来場者からは、選定されるタイトルには違和感があるという意見も出ています。

世界で戦わなければいけないのに、国内でしか流行っていないタイトルが選定されるのは妙な感じがするというのです。

プロ認定タイトルについて、「JeSU」ではタイトルの運用機関や利用者数、また継続的に大会が実施出来る体力がメーカーにあるかなどを総合的に判断して決定していくといいます。

「JeSU」の浜村副会長は次のようにおっしゃっています。

「最初から完璧なものが出来ていると思わないので、特に選手の方々とお話しながら、そこはより収れんさせていきたいと思います。」

 

eスポーツのプロ制度はゲームを開発する企業にとっても大きな可能性を秘めています。

モンスターストライクを運営するミクシィの田村 征也さんは次のようにおっしゃっています。

「選手の方が有名になってスポンサーが付く、でその方々が出られる大会も認知度が上がって興行収入が入ったり、グッズの販売も可能だと思いますので、既存のスポーツがやられているようなビジネス、そういった広がりをeスポーツでもつくっていければいいなと考えています。」

 

日本のeスポーツ市場、プロの誕生で発展は加速するのでしょうか。

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(eスポーツはこの先どんな広がりを見せるかという問いに対して、)一つの面白い可能性は、eスポーツとリアルな身体を使うスポーツがもっともっと融合していくだろうと。」

「このeスポーツは意外と身体を使うと言われているんですね。」

「まず動体視力を使いますし、筋肉を使うわけです。」

「海外のeスポーツのプレイヤーは結構筋トレとかをして身体を鍛えているんですね。」

「一方のリアルスポーツの方は、最近バーチャルリアリティ(仮想現実)ですとか、AR(拡張現実)の技術が入ってきていますので、実際に今スポーツジムでそういうの入って来ていますよね。」

「ですからeスポーツの方はより身体を鍛え、身体を鍛えるはずのスポーツの方はバーチャルリアリティを使ってゲームになっていく。」

「両方の境界線が無くなっていくわけですね。」

「その辺が大きなマーケットになっていくだろうと考えています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

AIやロボットなど技術の進歩により、私たち人間の働く場はどんどん奪われていくというような悲観的な見方が一部でされていますが、確かに労働市場全体としては縮小していくと思われます。

しかし、一方では今回ご紹介したeスポーツのように新たなビジネスも生まれてくるのです。

確かに世界的な競技種目として普及、定着させていくためには、どのゲームを対象とするかなど、いろいろな課題がありますが、入山さんのおっしゃるように既存のスポーツとeスポーツとの融合という流れからeスポーツがどんなスポーツとして収れんしていくのかとても興味のあるところです。


 
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