2018年05月08日
アイデアよもやま話 No.4010 変化の波に乗り遅れそうな銀行業界!

2月4日(日)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で変化の波に乗り遅れそうな銀行業界について取り上げていたのでご紹介します。 

 

1月は580億円相当という巨額の仮想通貨が流出し、ここ最近注目が集まっている仮想通貨を巡って安全性の問題が明らかになりました。

一方、現実の通貨を巡っても私たちの生活に身近な銀行が今その姿を大きく変えようとしています。

 

メガバンクが相次いで経営の効率化を発表しています。

例えば、みずほフィナンシャル・グループは1万9000人、三菱東京UFJ銀行は6000人、そして三井住友銀行は4000人の人員削減を打ち出しています。

日本の銀行業界でいったい何が起きているのか、私たちにとって“お金”の姿はどう変わるのでしょうか。

 

メガバンクがこれだけの人員削減に踏み切るのはなぜでしょうか。

その最大の理由は歴史的な低金利にあると言われています。

歴史的な低金利の背景はデフレ脱却を目指した日銀の大規模な金融緩和です。

銀行が預金を預かって、それを融資に回して“利ざや”で稼ぐ、その“利ざや”が非常に少なくなってしまうということなのです。

 

そして、もう一つはIT技術の進化ですが、スマホやパソコンで簡単に送金や支払いが出来るような時代になって、今後店舗の利用者やATMの利用者が減っていってしまうと、維持コストが大変な負担になってくる可能性が出ています。

 

一方、世界的に現金離れ、キャッスレス化の動きが加速しています。

例えば、中国の場合は「アリペイ」と呼ばれるスマホ決済サービスには5億人の人が登録しています。

また、北欧のスウェーデンでも現金の流出量がGDPの1.3%というように急減しています。

 

一方、日本は現金志向が高く、政府は利用者の利便性にもつなげようとキャッスレス化の動きを後押ししております。

こうした国内でのキャッスレス化の動きに対して、各銀行は知恵を絞っています。

例えば、銀行の支店については、駅前の一等地にこだわるのは止めて、数を減らしたり、一方で資産運用などの相談業務に特化するような小型の店舗を作ったりといったことが検討されています。

また、ATMについては、コンビニのATMに任せてしまって、自前のATMはゼロにしてしまっている銀行も出て来ています。

そして、口座や通帳については、今は銀行側がコストを負担して誰でも無料で使えますが、将来的には口座維持手数料を取った方がいいのではないかという議論も出ています。

 

このように銀行の姿は今後大きく変わっていくように見えますが、もしIT事業者に新しい決済サービスを奪われてしまうことになると、既存の銀行にとっては口座などを一生懸命維持していくだけの、言わば“装置産業”のようになってしまいかねません。

 

そこで銀行も新しいサービスを模索しております。

例えば、みずほ銀行がソフトバンクと組んだ、新しい個人向けの融資サービスでは、スマホなどで利用者が質問に答えていくとAIが返済能力を判断してくれます。

返済能力が高いと判断されると、比較的安い金利でお金を借りることが出来ます。

また、銀行にとっても審査にかかるコストを抑えられるといったことを狙ったサービスなのです。

 

さて、店舗が減っていくと不便さを感じる利用者も多くなりますが、こうした状況に対して、金融庁は新たな法改正をして、今までは土日や年末年始にしか認めていなかった銀行の休日を平日にも認めるようにしようと検討を進めています。

この法改正によって、例えば、ある銀行のA町支店では月水金、B町支店では火木というように営業日を分けて、同じ銀行員が支店を変えて働くことが出来ますので、銀行は効率化が出来ます。

利用者のとっても、完全に支店がなくなってしまうことは避けられるのです。

 

IT技術などを使うことによって、銀行の姿は大きく変わりそうですが、これから銀行に求められる役割について、今メガバンクが取り組もうとしている効率化も、ただ人を減らそうというのではなく、AIなどに事務作業など任せられるものは任せて、その分浮いた人材をどう活用していくのか、その点が一番大きいといいます。

そういう中で、将来性のある企業をどう発掘して、そこにお金を融資していくのか、また地域の金融サービスをどう維持していくのか、この稼ぐ力を取り戻しながら、銀行の社会的役割も果たしていく、この点をどう実現出来るかが問われてくることになると番組では指摘しています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

銀行を取り巻く環境が厳しくなり、リストラの必要性が取りざたされていますが、かつて銀行業界は最も安定した職業の一つと世間から見られていたことを思うと、時代の流れとともに花形産業は変わっていくことをあらためて実感します。

同時に、ネット社会の進行とともに、ネット関連ビジネスが非常に短期間の間に成長し、既存の企業が何十年もかけて達成した売上高をいとも簡単に達成してしまったネット関連企業を見て、あらためてネット社会のビジネスに与える影響の凄さも実感します。

 

では時代の流れとは具体的にどのようなものかといえば、大きく2つあると思われます。

一つ目はこれまで何度かお伝えしてきたように、資本主義経済の停滞です。

銀行のドル箱は預金を原資に企業や個人に融資した時の金利です。

ところが、先進国を中心に、経済が成熟し、成長率はせいぜい2、3%台が続いています。

こうした環境ではかつての経済成長期に比べて融資先、そしてその融資額が減少し、その結果金利が低くなってしまうのです。

本来であれば、企業は金利が低い時に積極的に様々な投資をするところですが、将来的に投資に見合うような需要が期待出来ないために銀行から資金を借りることにつながらないのです。

こうした状況下において、国内では日銀が金利2%を目標に“異次元の金融政策”に数年来取り組んできましたが、大きな効果は未だに出てきません。

金融政策には限度があり、金利を上げるうえでの決定打は飽くまでも将来的な、かつ継続的な需要の創出なのです。

 

二つ目は世界的な現金離れ、キャッスレス化です。

これを支えているのは、インターネットをインフラとするITです。

今や、インターネットを通じて世界的にキャッスレス化は短期間のうちにものすごいスピードで普及しています。

キャッスレス化は、具体的なコインやお札を必要とせず、仮想通貨やクレジットカードの番号というデータでのやり取りなのですから、銀行の出先機関である支店は必要ありません。

しかも、スーパーなどの小売店など、私たち購入者との接点である業種はキャッスレス化により、閉店後の計算業務などから解放されます。

同様に購入者も現金の持ち歩きから解放されます。

ですから、世界的なキャッシュレス化の動きは当然なのです。

 

こうした中で、今や日本はキャッシュレス化後進国となっているのです。

ですから、日本においては、銀行業界のみならず、国の仕組み全体をキャッシュレス化に限らずIT化の波に合わせて大きく変貌させるという大きな課題に直面しているのです。

そのポイントは、大きく2つあると思います。

一つ目はあらゆる既存業務の見直し、およびITの活用による効率化です。

二つ目はITを活用した新たなサービスの創造です。


 
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