1月31日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でKDDIの新たなIoT戦略について取り上げていたのでご紹介します。
格安スマホの普及などで大手携帯電話キャリアの契約者数が減少しています。
こうした中、KDDIは新たな収益基盤とするべく、国内初の携帯網を活用したIoTサービスを事業の柱に据えようとしています。
今年を勝負の1年と位置付けるその戦略について番組は取材しました。
KDDI傘下の格安スマホ、UQモバイルを除くAUの契約数はこの数年で緩やかに減少を続けています。
こうした中、KDDIが新たな事業の柱として力を入れようとしているのが、IoT事業です。
KDDIの田中 考司社長は次のようにおっしゃっています。
「IoTの通信部分は非常にデータ量が少ないので収入が少ないですけども、他の産業と一緒に新たな価値を生み出せれば大きな産業、事業に育て上げることが出来るのではないかと。」
KDDIのIoT事業とは何か、通信事業者として初めて国の認可を得てある事業を始めていました。
KDDIが取り組むのはLPWA(Low Power Wide Area)です。
単三電池2本で10年持つという、消費電力の低さと長距離通信が出来るのが特徴です。
LPWAでは、データを継続して送り続けます。
電波が悪い場所でも徐々にデータを受け取れるため、より広い範囲での通信が可能になるのです。
建物の陰など、電波が悪い場所に多いガスメーターですが、LPWAを使えばIoT製品として利用出来るのです。
東洋計器株式会社はLPWAでガスメーターをIoT化し、使用状況を監視することで検視員不足の解消などに期待しています。
東洋計器の横沢 正彦企画開発部長は次のようにおっしゃっています。
「機械で出来るものは機械に任せてですね。」
しかし、KDDIの通信収入はわずか1ヵ月40円(1回線当たり)です。
KDDI ビジネスIoT営業部の落合 孝之部長は次のようにおっしゃっています。
「先行有利は当然出てくると思いますので、いろんなパートナー様と知恵を出し合ってビジネス開拓に思っています。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
どのような事業も成長期を経て、成熟し、やがて衰退していく運命にあります。
KDDIの携帯電話事業もその例外ではありません。
そこでKDDIは新たな成長分野としてIoT事業に取り組み始めたわけですが、IoTの分野こそまさにこれからの成長分野の一つとして期待されています。
そして、IoTはどの企業においても大なり小なり関係があります。
なにしろどんなモノでもインターネットにつなげようとするのですから。
今回ご紹介したように、ガスメーターという一つのモノがインターネットでつながるだけでもメリットは出てきますが、全ての家電製品がつながり、やがてあらゆるモノがつながれば、更に新たな多くのサービスの可能性が出てきます。
KDDIもまさにこうした可能性に賭けているわけです。
当分、KDDIのような取り組みはいろいろな企業によって始められますが、やがてAIやロボットとの相乗効果で一つの大きな流れとなって、これまでとは別次元の便利さ、豊かさを私たちに提供してくれると私は密かに期待しています。