2018年04月10日
アイデアよもやま話 No.3986 参考にすべき電子国家、エストニア その2 更に進化するエストニアの電子化!

インターネット電話、スカイプの生まれたIT先進国、エストニア共和国についてはアイデアよもやま話 No.2823 2020年のデータ通信量は現在の1000倍に!などでご紹介してきました。

そうした中、1月15日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で電子国家、エストニアについて取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

2回目は更に進化するエストニアの電子化についてです。

 

前回ご紹介したように、行政サービスの99%が電子化されているエストニアですが、この先どのような目的があるのかについて、番組コメンテーターでA.T.カーニー日本法人会長の梅澤 高明さんは次のようにおっしゃっています。

「住民サービスの話が今日中心だったんですけど、イーレジデンシー(電気居住)の権利は世界中どこからでも見られて、電子居住の権利を得た人はエストニア国籍の企業の設立がオンラインで出来る、しかも20分ほどで出来ると。」

「例えば、ヨーロッパでビジネスがしたかったらEU共同市場にアクセスのあるエストニア籍の企業を日本からオンラインで設立することが出来る。」

「更に法人税も払わなきゃいけないのは配当を出す時だけなので、配当をしないでどんどん投資を続けているような成長企業はエストニアで起業しようかとインセンティブにもなるんですね。」

「だから彼ら(エストニア)にとっての成長戦略でもあると。」

「(世界中から優秀な企業家を集めたいということなのかという問いに対して、)そうです。」

「更にすごいなと思うのは、デジタル国家というビジョンを掲げているんですけども、元々ロシアの隣で、ある意味常に侵略の脅威も感じながらやっている国なわけですね。」

「で、世界中に有力者とつながる、世界中の企業家を電子居住者にするとこと、ステイクホルダー(利害関係者)にする、それから国のデータを世界中のサーバーに分散管理をするということもやっていて、いざ領土が侵略されても国家として存立出来るかもと。」

「なので、国家の3要素ということで、領土、国民、主権というのがあるわけですけども、エストニアの場合、領土を失ってもデータがあれば国として成立するという考え方のもとにデジタル国家を推し進めている。」

「(日本もこの電子化を進めるべきではという問いに対して、)マイナンバーも勿論それを進めるためにやってきたわけですけど。」

「(でもエストニアは人口132万人ほどというコンパクトな規模の国だからこそ出来るのではないかという問いに対して、)例えば法人税の電子申告比率という指標でみると、日本は75%です。」

「で、エストニアは99%なんですけども、お隣の韓国も99%なんです。」

「で、韓国は5000万人の人口ですから、132万人だから出来るというのは言い訳かなと。」

「日本もやはり韓国のように本気で取り組むというのが多分求められていると思います。」

「今、“生産性革命”って言ってますよね。」

「中小企業もみんなIT化を進めると。」

「こういうことをやれば生産性が上がるわけで、それはやっぱりもっと強力に進めるべきだと思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

やはり前回もお伝えしたように、単に国家としてやみくもにIT化を推し進めるのではなく、どのような国家づくりをするのか、そしてそのためにはどういう技術や制度が必要かというところからの検討が必要だと思います。

いずれにしても、こうした制度づくり如何によって、国民のみならず各企業のビジネス展開もやり易くなるのです。

更には、こうしたシステム全体を途上国などに海外展開することこそ、日本にとっての最良の成長戦略のみならず国家安全保障政策にもつながると思うのです。

要は、日本という国家が世界中のより多くの国々にとって、なくてはならない存在となることを目指すべきだと思うのです。

こうしたことを目指すうえで同時に必要なことは、世界中から優秀な企業、あるいは優秀な人材が日本に集まるようなオープンな環境づくりです。

幸いにして、日本には四季折々の風景や歴史的な建造物などに恵まれています。

ですから、こうした観光資源もフル活用すれば、単に仕事のためだけでなく、プライベートタイムも海外から来ていただく人たちに楽しんでいただけると思うのです。


 
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