2018年04月04日
アイデアよもやま話 No.3981 世界初、修復可能なガラス!

昨年12月15日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)、および昨年12月15日(金)付け朝日新聞のネットニュース(こちらを参照)で世界初の修復可能なガラスについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

割れても断面を押し付けるだけで元通りに修復出来るというガラス材料の開発に東京大学の研究グループが世界で初めて成功し、昨年12月14日付の米科学誌サイエンスに発表しました。

実際に番組で割れたガラスを30秒ほど押し付けてみるとしっかりくっつきました。

 

割れても修復出来るガラスは東京大学の相田 卓三教授と博士課程の大学院生、柳沢 佑さんらの研究グループが開発しました。

研究グループでは新たな接着剤の開発を進めていましたが、偶然固くさらさらした手触りの半透明の新素材「ポリエーテルチオ尿素」に自然に元通りになる自己修復機能があることを発見しました。

新素材は「水素結合」という結びつきで安定した状態に戻ろうとする分子が多いため、押し当てると自然にくっつくといいます。

この新素材を材料にしてきたガラスは、割れても数十秒間押し付ければ元通りに修復出来、数時間あれば元の強さに戻ることも確認出来たといいます。

こうした室温環境で壊れても自己修復出来る物質は、ゴムのような柔らかい材料では見つかっていましたが、ガラスのような固い材料では実現が難しいとされてきました。

研究グループの柳沢さんは次のようにおっしゃっています。

「作って壊れたら捨てると言うサイクルを違う付き合い方が出来ていけばいいなと・・・」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

既成概念に縛られていると、割れても押し付ければ修復出来るガラスを開発しようというようなアイデアはまず浮かんできません。

そうした中、今回ご紹介した修復可能なガラスも新たな接着剤の開発の過程で偶然発見されたのです。

まさにアイデアは存在し、見つけるものなのです。

アイデアはいつどこで見つかるか分からないのです。

 

さて、修復可能なガラス技術の用途ですが、クルマのフロントガラスのヒビ割れなどが自然に修復出来るようになればありがたいと思います。


 
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