3月13日から7回にわたって、北欧の豊かな暮らしを参考にすべき「働き方改革」についてお伝えしました。
こうした改革を進めるうえで、具体的にいつまでにどのような成果を達成するかという定量的な目標設定が重要になります。
その観点は、大きく幸福度と労働生産性の2つだと思います。
以下にその理由を簡単にお伝えします。
まず、幸福度はデンマークのライフスタイル”ヒュッゲ(Hygge)“にもつながる幸福度の度合いです。
ちなみに、国連で発表する幸福度ランキングでも、155ヵ国中デンマークは2013年、2014年、2016年と何度も1位を獲得したことのある幸せな国です。
そして、2017年ではデンマークは2位で、1位はノルウェー、そして日本はなんと51位でした。
次に労働生産性ですが、労働生産性が高ければ、それだけ満足なプライベートタイムを確保することが出来ますし、労働の質も高くなります。
ですから、幸福度と労働生産性には密接な関係があるのです。
では具体的な指標として何を使うかですが、国連で発表する幸福度の数値、およびランキングを指標として使用すべきと考えます。
データは150以上の国や地域を対象としています。
それぞれの国の幸福度は0〜10の値からなる各個人の回答の数値の平均値です。
具体的な項目は以下の6つです。(Wikipediaより)
(1)人口当たりのGDP(国内総生産)
(2)社会的支援(困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
(3)健康寿命
(4)人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
(5)寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)
(6)腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)
なお、上記(1)の人口当たりのGDPは一人当たりの労働生産性と言われています。
そして、労働生産性にはこの他にも1時間当たりの労働生産性という指標もあり、私はこの指標と一人当たりの年間労働時間も上記の項目に加えるべきだと思います。
ちなみに、 アイデアよもやま話 No.3963 北欧の豊かな暮らしを参考にすべき「働き方改革」 その2 参考にすべきデンマークのライフスタイル”ヒュッゲ(Hygge)“!でもお伝えしたように、日本の幸福度ランキング(2017年)は155ヵ国中日本は51位でした。
また日本の労働生産性ですが、経済協力開発機構(OECD)加盟国など35ヵ国中のランキング(2016年度)は以下の通りです。
・1人当たり労働生産性(81,777ドル(834万円)):21位
・1時間当たり労働生産性(46.0ドル(4691円)) :20位
・年間労働時間(1713時間) :22位 :
*フルタイム・パートタイムを含む
ちなみに、1時間当たり労働生産性について、日本は首位のアイルランドの約半分、6位のアメリカの3分の2の水準、また先進7ヵ国(G7)の中では最下位です。
また、年間労働時間には当然のことながらサービス残業は含まれておりません。
そして、サービス残業はたびたび多くの企業で発覚していることから、実質労働時間は少なくとも1,2割程度は多いと思われます。
そこで仮に1割増しにすると11位、2割増しにすると4位になってしまいます。
ということで、アイデアよもやま話 No.3964 北欧の豊かな暮らしを参考にすべき「働き方改革」 その3 日本は “働き方途上国”!?でもお伝えしたように、日本は“働き方途上国”なのです。
同様に、日本は“幸福度途上国”でもあると思います。
ですから、安倍政権の進める「働き方改革」はAIやロボット技術を駆使して、幸福度ランキング1位を目指して進めて欲しいと思います。