2018年03月14日
アイデアよもやま話 No.3963 北欧の豊かな暮らしを参考にすべき「働き方改革」 その2 参考にすべきデンマークのライフスタイル”ヒュッゲ(Hygge)“!

今、ご存知のように安倍政権による「働き方改革」が進められております。

そうした中、2月19日(月)放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)で「働き方改革」を進めるうえで参考にすべき北欧の豊かな暮らしについて取り上げていたので7回にわたってご紹介します。

2回目は参考にすべきデンマークのライフスタイル”ヒュッゲ(Hygge)“についてです。

 

残業が減ったことは果たして幸せなのか、それとも不幸せなのか、そんな突然出来た時間の使い方に戸惑う人たちへの提案があります。

そのキーワードは”ヒュッゲ(Hygge)“です。

本屋さんに行ってみると”ヒュッゲ“に関する本がズラリ、実は密かなブームだといいます。

感度の高い女性の間では”ヒュッゲ“は既に有名のようです。

女性ファッション誌をよく見ると、確かに”ヒュッゲ“を沢山見かけます。

”ヒュッゲ“を特集した宝島社リンネル編集部の渡辺 楽子さんは次のようにおっしゃっています。

「通常の1.5倍の30万部を完売しました。」

「(”ヒュッゲ“は)デンマークの言葉で、新しいライフスタイルや新しい生き方を示す最新のキーワードだと思います。」

 

今、”ヒュッゲ“を知らなくてはいけないのは女性ではなく男性です。

働き方から生き方までも変えるという”ヒュッゲ“とは何なのか、日本から飛行機で11時間半の北欧の国、デンマークの首都コペンハーゲンへと番組では取材に向かいます。

デンマークは人口およそ570万人という小さな国です。

国連で発表する幸福度ランキングでは、デンマークは2013年、2014年、2016年と何度も1位を獲得したことのある幸せな国なのです。

(ちなみに、こちらによれば、2017年は155ヵ国中デンマークは2位で、1位はノルウェー、日本は51位でした。)

 

コペンハーゲンのある日の朝の気温は1℃、でも自転車ラッシュです。

環境にも健康にも良いと急増中です。

今や通勤、通学する人のおよそ6割が自転車を利用しているといいます。

”ヒュッゲ“について番組では何人かの街の人にインタビューしました。

その結果は以下の通りです。

「”ヒュッゲ“はあくせくしない時間の過ごし方なんだ。」

「デンマーク人にとって”ヒュッゲ“は生活そのものだよ。」

 

「”ヒュッゲ“は今日の天気と正反対。」

「光を差すような温かみのある暮らしのことよ。」

 

”ヒュッゲ“は居心地がいい、心が安らぐといった言葉で、デンマーク人が古くから大切にしてきたライフスタイルなのです。

この”ヒュッゲ“は今世界中で大ブームといいます。

きっかけの一つが「幸せってなんだっけ(The Year of Living Danishy)」という本で、世界18ヵ国で翻訳され、ベストセラーになっています。

著者はイギリス人のヘレン・ラッセル(Helen Russell)さんで、旦那さんの転職を機にロンドンからデンマークに移住し、その体験を本にまとめたのです。

ヘレンさんは次のようにおっしゃっています。

「ロンドンでの生活はストレスだらけでしたが、”ヒュッゲ“のあるデンマークは全てが違いました。」

「自分の人生のために時間を使うんです。」

「驚きです。」

「仕事を早く切り上げて帰ることもデンマーク人は全くためらわないんです。」

「人は前向きな気持ちの方が生産性が2割アップするという研究データもあります。」

「労働時間が減っても生産性が上がるのです。」

 

こうした話を聞くと増々興味が湧くデンマーク人の働き方ですが、心地よいという”ヒュッゲ“は挨拶にも“ヒュッゲリー”という言い方で使われています。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

実は、私が以前の勤務先を退社してBMCを立ち上げた時、会社として何を目指すかということで暫く考えました。

そして行き着いた先は、世界中の人たちへの“心地よさ”の提供です。

ただし、ここでいうところの“心地よさ”は単に“心地よさ”を感じることではなく、望みがかなった時の満足感、あるいは例え失敗しても全力投球したことに対する満足感など、どんな状況においても目の前の事実を前向きに捉えて“心地よさ”を感じられることを意味しています。

ですから、今考えるとその究極のゴールは日常生活において“禅の極地”に達することではないかと思います。

そして、この“心地よさ”はまさに今回ご紹介したデンマークのライフスタイル”ヒュッゲ“に通じると思いました。

 

また、ヘレンさんのおっしゃるように、自分の人生のために時間を使っているという前向きな意識が主体的な行動を促し、結果として生産性を向上させ、労働時間の短縮をもたらすのです。

 

ということで、“ヒュッゲ”は一朝一夕に実現出来るわけではなく、時間をかけて“自分が主体である”という人々の意識改革の末に実現出来るものだと思うのです。


 
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