2018年03月13日
アイデアよもやま話 No.3962 北欧の豊かな暮らしを参考にすべき「働き方改革」 その1 国内で“フラリーマン”が増殖中!

今、ご存知のように安倍政権による「働き方改革」が進められております。

そうした中、2月19日(月)放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)で「働き方改革」を進めるうえで参考にすべき北欧の豊かな暮らしについて取り上げていたので7回にわたってご紹介します。

1回目は国内で増殖する“フラリーマン”についてです。

 

まず番組の冒頭で取り上げていたのは1960年代後半のニュース映像です。

“モーレツ”という言葉が流行していた高度経済成長期のサラリーマンの凄まじい仕事ぶりです。

今ではほとんどあり得ないことだと思いますが、ある企業では夜10時半にようやく女子の事務員が一足先に帰宅します。

その後11時半にセールスマンが帰ってきて、午前1時に営業会議が始まります。

売り上げ目標にはほど遠いからです。

家に帰るのは1週間に1回だけといいます。

まるで出征兵士の心境です。

そして待望のボーナス日、ボーナスは年に16ヵ月です。

 

あれからおよそ50年、政府は日本の成長を支えて来たサラリーマンの働き方を大きく変えようとしています。

ところが、東京の新橋であまり喜ばしくない状況が起きています。

政府の「働き方改革」で残業が減り、夕方5時に仕事を終えるサラリーマンが急増中なのです。

残業禁止で駅近くの公園では缶ビールを飲んでいる男性をちらほら見かけます。

また、午後7時過ぎのゲームセンターではスーツやワイシャツ姿のサラリーマンを見かけます。

彼らは人呼んで“フラリーマン”、最近都内を中心にすごい勢いで増殖中です。

かつては考えられなかった時間を持て余すという時代、“フラリーマン”はカラオケボックスや家電量販店にも多く出没しています。

番組によるインタビューでは、こうした理由は早く帰宅する習慣にまだ慣れていない、帰宅してもやることがない、あるいは何をしていいか分からないからだといいます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

前回、世界一集中出来るシェアオフィスについてご紹介しましたが、その中で従業員が働くうえで大きく以下の3つの要件を満たすことが重要になってくるとお伝えしました。

1.業務に取り組むうえでの“やる気”や使命感を持つこと

2.必要とする情報を素早く入手出来ること

3.集中してものを考えることが出来ること

 

今回ご紹介した、国内で増殖する“フラリーマン”はまさに上記の1番目の業務に取り組むうえでの“やる気”や使命感を持つことの欠如だと思われます。

勿論、たまには息抜きのためにパチンコやゲームをすることも大切ですが、“やる気”や使命感が高ければ、仕事を終えてから自身の能力向上のための読書や社外の人たちとの情報交換に時間を費やすことが大切だと思います。

またワークライフバランスの観点からすれば、家族や友人とのコミュニケーション、あるいは何か趣味に費やす時間を持つことも大切です。

 

そういう意味で、今企業に求められるのは“指示待ち社員”から“自立した社員”への転換を促すような取り組みだと思うのです。

自発的にものを考える社員であれば、終業後にどのように時間を過ごしていいか分からないという状況はあり得ないのです。

また、「働き方改革」で単なる時間短縮を実現しても“フラリーマン”が増殖するようでは、日本の国際的な経済力は衰えていく一方になってしまいます。

これでは何のための「働き方改革」か分かりません。

 

こうして考えを進めてくると、「働き方改革」を進める延長線上で、あるいはより根本的な国策として、“自ら考える人材”を育成するための教育のあり方の重要性が増してきます。


 
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