2018年02月15日
アイデアよもやま話 No.3940 次世代大型蓄電池として期待されるレドックスフロー電池!

昨年11月14日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でレドックスフロー電池について取り上げていたのでご紹介します。 

 

太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー普及の切り札として注目を集めているのが、レドックスフロー電池と呼ばれる次世代大型蓄電池です。

この蓄電池にはレアメタルであるバナジウムが必要で、コストがかかるのが課題になっています。

こうした中、安いコストでバナジウムを生み出すベンチャー企業、LEシステム株式会社の技術に注目が集まっています。

産業革新機構の韲 哲也専務は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「非常に革新的に再生可能エネルギー普及の大きなカギになるんじゃないかということで、LEシステムに出資させていただこうと。」

 

産業革新機構はQBキャピタルなどと福岡県発のベンチャー、LEシステムに総額5億8000万円を出資すると発表しました。

 

2011年に創業したLEシステムは大型の蓄電池、レドックスフロー電池向けのバナジウム電解液を製造する企業です。

レドックスフロー電池はレアメタルのバナジウムを溶かした電解液を循環させて充電・放電をする仕組みで、電気をプラス極とマイナス極、それぞれの電解液に貯めておくことが出来ます。

LEシステムの佐藤 純一社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「電解液の量によって保存(蓄電)量が決まり、(充放電する)セルのサイズで出力が決まるという電池の特徴があります。」

 

他の蓄電池と比べ発火の危険性がなく、数十年に渡って使える寿命の長さが特徴です。

太陽光や風力など大容量の電気を保存する次世代の蓄電池として実用化が進んでいます。

ただ、レアメタルのバナジウムを使うため原料コストが高いのがネックでした。

そこでLEシステムはあるものからバナジウムを抽出する独自技術を確立しました。

佐藤社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「廃棄物から回収することで安価で安定的な(バナジウム)電解液を作り上げる・・・」

 

バナジウム電解液をどうやって安く作るのか、つくば市にあるLEシステムの研究施設を訪ねました。

 

つくば事業所の古川 英樹所長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「原料は火力発電所から出てくるススの中に含まれているバナジウム。」

 

バナジウムは石油や石炭などの天然資源にわずかに含まれているもの、そのため石油を燃料とする火力発電所から出たススにも含まれます。

このススを特殊な溶液と混ぜて不純物を取り除きます。

更に別の溶液に入れ、乾燥させるとバナジウムが取り出せます。

純度は99%以上だといいます。

100トンのススに対して約2トンのバナジウムが作れるといいます。

本来ではあれば廃棄物として処理されるススから作るため、バナジウム電解液の製造コストは従来の半分ほどになります。

古川所長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「再来年度(2019年度)くらいを目標に年間1万立方メートルの(電解液の)生産を出来るように持っていきたい・・・」

 

LEシステムは今回得た資金で量産化の確立に向けて設備投資を進めます。

 

当面の売り上げの目標について、佐藤社長は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「2年後に50億円の売り上げの計画を予定しております。」

「世界のレドックスフロー電池メーカーが世界で安い電解液を探し求めていると。」

「つまり、生産さえすれば売り先には困らないと思っております。」

 

レアメタルのバナジウムを安く入手出来るようになると、半永久的に電気を溜められる大型蓄電池が世界中で実用化される大きな流れをつくるかもしれません。

ちなみに、LEシステムはバナジウム電解液を製造する工場を原発事故で大きな被害を受けた福島県浪江町に造る計画といいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

次世代大型蓄電池と呼ばれるレドックスフロー電池はレアメタルのバナジウムが必要です。

そのバナジウムを石油や石炭の火力発電所から出てくるススの中から純度99%以上で取り出す技術が開発されたというのですから、大変な朗報です。

しかも、本来ではあれば廃棄物として処理されるススから作るため、バナジウム電解液の製造コストは従来の半分ほどになるといいます。

更に数十年に渡って使える長寿命というのです。

 

ご存知のように、太陽光や風力など再生可能エネルギー発電の発電量は天候などに左右されるという弱点があります。

この弱点をカバーするためには低価格で安全、かつ長寿命の大型蓄電池が求められているのです。

レドックスフロー電池はまさにこうした要件を満たす蓄電池なのです。

ですから、LEシステムには再生可能エネルギーの普及による持続可能な社会の実現に向けた流れを加速させるべく、世界中の火力発電所にバナジウムを取り出す装置を導入してレドックスフロー電池を大量に製造出来るような取り組みを進めていただきたいと思います。


 
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