EV(電気自動車)の普及に向けて充電インフラに焦点を当てて3つの課題とその対応策についてお伝えしております。
3回目は、急速充電器の台数の増加についてです。
EVの普及に向けてここ数年の間に急速充電器が自動車販売店だけでなくコンビニや道の駅、あるいは高速道路のサービスエリアなどに徐々に設置されてきています。
しかし、ガソリンスタンドに比べればまだまだ十分とは言えません。
考えてみれば、高速道路で使うETCカードの場合でも、導入当初は料金支払いゲートの1ヵ所のみしかETC用はありませんでした。
それがその便利さに多くのドライバーが気付いてから徐々に普及が進み、それに連動するようにETC用ゲートが増えていき、今ではほとんどの料金支払いゲートはETC用、あるいはETC用以外との共用ゲートになっています。
こうしたことからみると、ある程度のEVの普及が急速充電器の設置を後押しするというかたちになるのです。
そして、最近は私が自宅近くのコンビニに充電に行くと、ちょくちょく充電中のEVを見かけるようになってきました。
ですから、そろそろ急速充電器の設置台数を増やしてもいい時期に来ているのではないかと思われます。
一方、とても残念なことがあります。
日産の新型「リーフ」はフル充電での航続距離のカタログ値が400km、実際の航続距離は260km程度とほぼ実用的な使用に耐え得るような程度で、しかもベースモデルの販売価格は初期モデルと比べても変わらないというもので、昨年10月から販売されました。
そして、最近テレビでは航続距離400kmや自動運転機能に焦点を当てたコマーシャルがいくつかの番組で流れています。
私は販売予約が販売が開始されてすぐに予約したので予定通り納車されたのですが、その後完成検査の不正(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.513 『日産自動車の不正な完成検査から見えてくること』)が報道されて以来、出荷がほぼ止まっているような状態が未だに続いているようです。
私は航続距離を大幅に伸ばした新型「リーフ」はEV普及の起爆剤になり得ると大いに期待していたのですが、今回の不正が自らその出鼻を挫いてしまったことがとても残念でなりません。
こうした状況を受けて、日産本社のある横浜市内在住の私が昨年10月始めに新型「リーフ」に乗り始めてからほぼ4ヵ月経っていますが、まだ1台も走行中、あるいは駐車中の新型「リーフ」を見かけたことがありません。
なので地球環境問題の解決策の一つとしてEVの普及もとても有効だと思っている私としては今回の日産自動車の不正はとても残念でなりません。
この不正の再発防止策は当然実施されなければなりませんが、それはそれとして少しでも早く新型「リーフ」の正常な販売がなされるようになり、購入希望者のもとに納車されるようにと願っております。
先ほどもお伝えしたように、EVの普及が急速充電器の設置台数増加を後押しするからです。
そこで、現状において急速充電器の設置推進策とを一つ思い付きました。
それは、今後の急速充電器の利用増加を見越して、これから急速充電器を設置する際に、企業広告機能を急速充電器本体、あるいはそのそばに持たせることです。
これにより設置コストや運用コストを多少なりとも下げることが出来ます。
また、企業にとってはこれまでにない新たな広告媒体となります。
そして、EVのドライバーにとっても興味のある内容であれば充電待ちの時間つぶしになるのです。