昨年11月9日(木)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で近未来のショッピングについて取り上げていたのでご紹介します。
留守中でもカギを開けて荷物を家の中まで届けてくれる、そんな新たなサービスをネット通販大手のアマゾンが昨年11月8日にアメリカでスタートさせました。
届け先が留守の場合、アマゾンは遠隔操作でカギを開け、配達員が家の中に入ることが出来ます。
更に家の中の様子を監視カメラで撮影、家主が確認することが出来ます。
必要なのは専用のカギと監視カメラ、価格は日本円でおよそ2万8000円です。
アマゾンは今後、掃除やペットの散歩など家事代行サービスも始めるとしています。
なお、日本への導入時期は未定です。
一方、小売り大手のウォルマートは留守の家に配達するだけでなく、生鮮食品を冷蔵庫に入れるサービスまで試験的に始めています。
更に、宅配トラブルが急増する中国でも超ハイテクなサービスが始まっています。
夜の上海の街にSF映画さながらに現れたボックス型の店舗、入り口でスマホをかざすと自動でドアが開き、欲しい商品を次々とスマホでスキャンすると店を出る際に自動的に決済が完了するという、まさに“超ハイテク無人コンビニ”です。
現在は安徽省にある合肥工業大学のキャンパスで試験的に営業しているこのコンビニ、在庫が不足すれば自動で倉庫に向かう機能なども将来的に搭載されるといいます。
近い将来、買い物はこうなるのかもしれません。
アメリカの自動車メーカー、フォードが提案する宅配システムは、例えば金曜日の夜に突然友人が家にやってくることになり、何か御馳走を作ろうと料理のレシピをチェックすると、冷蔵庫が足りない材料をリストアップして自動的に注文、すると無人のEV(電気自動車)が荷物を載せてやって来て、ドローンがマンションの30階へ、ベランダに設置した専用のテーブルまで運んでくれるのです。
“未来の無人宅配システム”です。
テクノロジーの進化は間もなくワクワクするような買い物の未来をもたらしてくれそうです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組を通して感じることは、自動運転車やドローン、あるいはAI(人工知能)やロボットなど先進技術の活用による便利さの追求とそれに伴うリスクの比重のかけ方の違いです。
アメリカや中国は前者に重きを置いて、まず便利さを追求し、それに伴うリスクも先進技術の活用により出来る範囲内の対策を取るという考え方のように感じます。
一方、日本国内ではリスク重視で何か問題が起きそうであれば、こちらを優先し、便利さの追求を制限する方を重視するという考え方です。
一般的な日本人の感覚では、いくら監視カメラが設置されているとは言え、家族の留守中に宅配便の配達員が自宅内に入ってきたり、更には生鮮食品を冷蔵庫に入れるサービスまで受け入れるというのはかなり抵抗を感じてしまうと思われます。
しかし、今回ご紹介したような様々な分野での先進技術の活用の積極的なトライアル&エラーの繰り返しは、長い目でみると関連技術の大きな差となって現れてくることが危惧されます。
ですから、日本の企業にはとてもチャレンジングではあっても、近未来ショッピングに限らず便利さ、および日本独自のきめ細かなサービスの追求とそれに伴うリスクの解消の両方のバランスを取るかたちでアメリカや中国の後追いではなく独自のアイデアで先進技術の活用により“便利で安心・安全で豊かな暮らし”を追求して世界をリードしていただきたいと願います。
こうした取り組みの積み重ねが女性の社会進出や高齢者の一人暮らしなどいろいろな社会問題の解決の支援につながると思うのです。