2018年01月19日
アイデアよもやま話 No.3917 逆輸入の自動車ローン!

昨年11月1日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で逆輸入の自動車ローンについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

フィリピンの街中では三輪自動車やバイクが沢山走っています。

フィリピンのような新興国ではローンの審査に通らず、中々クルマを買えない人も多いとされています。

そこで日本のベンチャー企業があるサービスを提供し、多くの人がクルマを購入出来るようになったといいます。

詳細は、以前とお伝えしたアイデアよもやま話 No.2913 驚きのEV弱点克服策 その3 EVがゼロ円で購入出来る!を参照ください。

 

このサービスが日本でも始まることになりました。

自動車販売店を展開する株式会社ジョイカルジャパンの全国大会、全国ジョイカルアライアンスミーティングで新たな自動車ローンを始めると発表しました。

早川 由紀夫取締役は、この全国大会の場で次のようにおっしゃっています。

「完済75歳以上に当てはまる方、言ってみればブラックの方(過去に支払い遅延があった方)でも支払い能力さえあればOKなんです。」

 

主なターゲットは高齢者や滞納経験者など、これまでローン審査に通らなかった人です。

そうした人たちがローンを組める秘密が提携するベンチャー企業の装置です。

この装置を開発したグローバルモビリティサービス株式会社(GMS)の中島 徳至社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「遠隔で自動車を制御するデバイスになるんですね。」

 

GPSや通信機能のあるこの装置をクルマに取り付けて、ローンが滞ると遠隔操作でクルマのエンジンをかからなくしてしまうのです。

参考にしたのが携帯電話です。

携帯電話は料金を支払わなければ使用出来なくなってしまいます。

同様に自動車ローンの支払い状況とクルマを使えるかどうかを連動させることでお客にローンを支払う動機を持たせます。

その結果、貸し倒れの割合が下がるため、これまでローンの審査に通らなかった人たちにも融資可能になるのです。

自動車ローンの金利の一部を金融機関から受け取ることで収益にします。

中島社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「日本の自動車は何も価格を下げたりだとかしなくても、こういった(金融)サービスとのセットによって可能性はどんどん広がると思うんですよね。」

 

既にフィリピンとカンボジアではこのローンを展開していて、三輪自動車など約1000台の販売につなげています。

国内では住信SBIネット銀行などと提携、年明けから軽自動車2車種を対象にスタートします。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそもお金を貸し出す金融機関は、出来るだけ貸し倒れを防ぐために貸し倒れになる可能性の高い、あるいは明らかにローンの返済が不可能と思われる人たちには貸し出しを行わないというのが大原則です。

一方、たまたま何らかの理由でローン審査に通らなかったり、あるいはブラックリストに載ってしまった方が現在は金銭的に多少ゆとりを持てるようになり、クルマを必要とするケースもあると思われます。

そうしたこれまでのローン審査では通らなかった方々にとって、今回ご紹介したローンはとてもありがたいサービスだと思います。

こうしたサービスを可能にしているのは遠隔操作で支払いが滞った場合にクルマを動かせないようにするシステムです。

今後も、テクノロジーの進化により、これまで不可能だったサービスが可能になり、多くの人たちの暮らしのし易さの向上につながるのです。

 

さて、今世界的に話題になっている自動運転車の開発ですが、自動運転車が実用化されれば、誰でも気軽に必要な時に必要な時間だけクルマをレンタル出来るようになります。

ですから、将来的なクルマの利用の主流は、今回ご紹介したような自動車ローンによりクルマを所有するよりも、誰もが気軽にいつでもどこでも低料金で利用出来る自動運転車のカーシェアリングになると見込まれます。

その根拠は、自動運転車はいつでもどこへでも人手を介さずに自動で来てくれるからです。


 
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