太陽光発電については、これまで何度となくお伝えしてきました。
そうした中、昨年11月30日(木)付け読売新聞の朝刊記事でフイルム状の太陽電池について取り上げていたのでご紹介します。
太陽光のエネルギーを効率よく電気に変えるペロブスカイト太陽電池は、作製が簡単で価格も安く、次世代の太陽電池として実用化が期待されています。
ちなみに、この電池は特殊な結晶構造を鉛やヨウ素などの化合物を材料に使った太陽電池で、ペロブスカイトはこの結晶構造の名称で、ロシアの鉱物学者ペロブスキーに由来しています。
ノーベル賞級の発明と評されるこの電池は、40歳代半ばで富士フィルムの技術者から研究者に転身した、桐蔭横浜大学の宮坂
力特任教授が生み出しました。
この電池はシリコン太陽電池と違って、曲がった壁や屋根にも設置出来るので今までより太陽光を使える場所が増えるといいます。
宮坂さんが最初に論文で発表した2009年当時、太陽光を電気に変える変換効率は3.8%でした。
2012年にイギリスの大学との共同研究で10.9%を達成し、短期間で急上昇させて世界の注目を集めました。
現在の変換効率はシリコン太陽電池の約25%に対し、ペロブスカイト太陽電池は韓国チームの研究で22.1%、宮坂研究室で21.6%まで上がり、開発から10年ほどでシリコンの性能に迫りました。
ただシリコンに比べて熱や湿気に弱く、結晶に鉛が使われているため、環境面の心配があります。
それでも「実用化の競争が激しい分、挑戦のし甲斐がある」と宮坂さんは意欲を燃やしています。
以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。
画期的なフィルム状のペロブスカイト太陽電池ですが、熱や湿気に弱く、結晶に鉛が使われているなど、環境面の課題があります。
しかし、こうした課題を解決出来れば、様々な形状の屋根や壁に設置することが出来ます。
また、太陽光を電気に変える変換効率もシリコン太陽電池に近づいているといいます。
更に、価格も安いといいますから、記事にある通り、次世代の太陽電池として実用化が期待出来ると思います。
ですから、天候に左右され、発電量が不安定であるという弱点を蓄電するバッテリーとの組み合わせでカバーすれば、少なくとも原発再稼働は不要となります。
更に、現行のメガソーラーは一定の土地を占有し、景観上も望ましくありません。
ということで、是非ペロブスカイト太陽電池の開発を加速させ、早期の製品化を実現させていただきたいと思います。