2018年01月05日
アイデアよもやま話 No.3905 テロ対策ボラード!

道路や広場などに設置して 自動車の進入を阻止したりする目的で設置される、地面から突き出した杭、すなわちボラードを私たちは日頃あちこちで見かけます。

そうした中、昨年10月11日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でテロ対策ボラードについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

猛スピードで突っ込んでくるトラックを新たに開発された車止めでブロックする実証実験で、車両は大破し、突入を阻止しました。

海外で人ごみに向かってクルマが突っ込むテロ事件が相次ぐ中、日本の企業が開発したこのテロ対策用の車止めに注目が集まっています。

コーエイ工業株式会社(神奈川県小田原市)は従業員およそ100人で、高速道路のゲートなどを手掛けています。

この会社が新たに製造に乗り出したのがテロ対策用に開発した車止め「ボラード」です。

コーエイ工業の松永 英史さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「車両総重量7トン、時速80kmのトラックも阻止する強度がございます。」

「需要の高まりを我々感じているところでございます。」

「1ヵ月に40〜50件ほどのペースでお問い合わせいただいております。」

 

電動式で、2秒以内に昇降が可能、緊急時に力を発揮します。

フランスのニースやスペインのバルセロナなど、人ごみに車両が突っ込むテロ事件が相次いでいます。

日本でも危機感が強く、隅田川花火大会では会場に入る道を警察車両で封鎖する措置が取られました。

車両を使ったテロで有効なのが頑丈な車止めです。

実験でトラックは大破しましたが、「ボラード」はほとんど無傷、驚異的な防御力を誇ります。

性能が認められ、既にアメリカの国務省が導入、日本でも空港や大使館、発電所など活用の場が広がっています。

価格は6本で3500万円(工事費別)です。

 

愛知県豊田市にある次世代のモデル都市、とよたエコフルタウンでは、未来の交通システムの実験として都市向けの「ボラード」を活用しています。

バスが近づくとカメラとセンサーで車両を確認し、自動で「ボラード」が下がります。

許可された車両だけを通行させることが出来ます。

また、速度の速いクルマを検知すると「ボラード」が上がり、道幅を狭くします。

徐行を促し、歩行者を守る仕組みです。

3年後にオリンピック、パラリンピックを控えた日本ですが、テロ対策の一環として「ボラード」の注目は更に高まりそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した「ボラード」は、確かにテロ対策用に空港や大使館、発電所などでの活用が期待出来ます。

しかし、海外でのテロ活動を見ると、人の集まるところ、場所を選びません。

だからといって、テロ活動の可能性のありそうな場所全てに「ボラード」を設置するのではとてもコストがかかってしまいます。

ですから、技術的に実用的なものが出来るかどうかはともかく、必要に応じてどこにでも設置出来る移動式の「ボラード」が開発されれば、世界中から引き合いがあり、テロ対策としてとても有効だと思います。

 

と、ここまで書いてきて、例えば銃乱射事件や地下鉄サリン事件のようなケースはどう対応するのかと思い浮かんできました。

こうして考えていくと、やはりテロ対策は、銃保持の禁止やサリンなどの薬物の厳重な管理など、一つひとつテロの芽を摘んでいくしかないように思われます。


 
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