2017年12月21日
アイデアよもやま話 No.3892 ”食糧支援”で人生が変わる!?

9月28日(木)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で”食糧支援”で人生が変わる事例について取り上げていたのでご紹介します。 

 

少しキズが付いたりしただけでまだ賞味期限前なのに捨てられてしまう食品、いわゆるフードロスは年間621万トンに上ります。

こうした中、今捨てられるはずだった食べ物を生かした食糧支援が広がっています。

失業中に生活に困り、食料支援を受けているある男性は、以前は月に3万円ほどかかっていた食費がほとんどかからなくなりました。

生活にゆとりが出来、就職活動に専念出来るようになりました。

男性は食糧支援のお蔭で希望していた正社員の仕事に就くことが出来たのです。

 

さて、1100万人以上という数字は年収200万円(月平均16.7万円)以下で暮らす人たちの数です。

こうした収入の低い人たちが失業や病気などで経済的に追い詰められた時、生活保護を受ける一歩手前で支援しようというのが2015年4月に施行した生活困窮者自立支援法です。

この法律に基づいて就労支援や学習支援が行われていますが、これに加えて独自に食糧支援を取り入れる動きが広がり、大きな効果を上げています。

 

六畳一間で4人で暮らしている高橋さん(仮名)一家では、女手一つで3人の娘さんを育てています。

朝から晩まで休む間もなくホテルで清掃の仕事をして、パート代は月に18万円ほどです。

家賃や光熱費などを引くと1日分の家族の食費は1000円以下しか使えません。

給料日前は何も食べることが出来ないこともあり、いつもお腹をすかせていた子どもたちは次第に気力を失い、学校にも通わず、引きこもりがちになっていきました。

借金するまで追い詰められた一家は、思い切って市役所に相談に行きました。

そこで勧められたのが食糧支援です。

 

自治体と連携して食料支援をしている支援団体、フードバンクには毎日スーパーや食品メーカーからキズがついたりして売り物にならない大量の食品が届きます。

フードバンクでは、企業や家庭から食べられるのにいらなくなった食品を集めています。

これまで食料の支援は福祉施設など、団体向けに行ってきました。

しかし、2年前、生活困窮者自立支援法が出来てから個別の世帯の状況に応じて支援を本格化しているのです。

フードバンク、NPOセカンドハーベスト名古屋の山田 康弘理事長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「とりあえず、まず食べることが出来ていない人がいろいろな問題を抱えていても、まずお腹を満たさないことには何も解決しないでしょと。」

 

高橋さん一家が受けた食糧支援は、お米やパン、レトルト食品です。

食糧支援を受けられるようになって半年、子どもたちは見る見る元気になりました。

シングルマザーの高橋さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「みんな健康になったんかな、太って。」

「命がつながったというか、食べ物がキラキラ輝いて見えて、感謝だと思う。」

 

食べ物の現物支給で食生活が安定すると、自立のための様々な支援につながり易いと専門家は指摘します。

跡見学園女子大学の鴈(がん)咲子教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(食料)支援を受けたことによって次の一歩を踏み出すし、他の支援に結びついたり、前向きな気持ちになれたりするという大きな意味があると思います。」

 

高橋さん一家も食糧支援をきっかけに、自立に向けて歩み始めました。

学校に通えなくなっていた三女のユカさん(仮名 10歳)は、食糧支援を受けてから元気を取り戻し、無料の学習支援室に行くようになりました。

少しずつ勉強が楽しくなったユカさんは再び学校に通えるようになりました。

 

一方、家に引きこもっていた長女のノゾミさん(仮名 17歳)も食糧支援をきっかけに大きく変わりました。

市役所で就労支援を受け始め、お菓子工場でパートとして働くようになったのです。

稼いだお金のほとんどを家計に入れています。

8月には、娘たちのパート代などで収入が安定した一家は六畳一間のアパートから引っ越すことが出来ました。

冷蔵庫や家具は中古を格安で手に入れました。

シングルマザーの高橋さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「「私たち頑張っています」とやっていかないと、支援してくれた人とか役場の人たちに申し訳ない。」

「二度と食べるものが無いとかならないように生きていきたいなと。」

 

食糧支援をきっかけに前向きに変わっていった高橋さん一家は人生の新しいスタートを切ることが出来ました。

 

フードバンクによりますと、年間621万トンあるフードロスのうち食糧支援などに活用出来ているのはまだ4000トン程度で0.1%にも満たないそうです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

フードロスのうち食糧支援などに活用出来ているのはまだそのうちので0.1%にも満たないという現状はまさに“もったいない”状態です。

フードロスの解消は、以下の観点からとても重要だと思います。

・フードロスの解消は、食糧の生産プロセスやフードロスの処理に必要なエネルギーも含めた資源の無駄も省くことになり、地球環境問題、あるいはエネルギー問題の解決策にもつながること

・フードバンクによるフードロスの食糧支援は、生活保護を受ける手前の生活困窮者にとって食費や栄養バランスの観点から助けとなり、新たな人生の第一歩を踏み出すきっかけを与えてくれること

 

ということで、フードロスの解消はいろいろな観点から世界的に推進すべき重要な課題だと思います。


 
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