9月27日(水)放送のニュース(NHK総合テレビ)で世界の男女格差について取り上げていたのでご紹介します。
驚くことに世界で唯一、中東のサウジアラビアでは女性の運転がこれまで法律で禁止されていました。
女性差別として長年批判の対象となっていましたが、遂に解禁されることになりました。
イスラム教の厳格な解釈や伝統的な価値観が根付くサウジアラビアでは、女性たちは外出時に黒い衣装で全身を覆い隠すことが求められ、自動車の運転も禁止されてきました。
ところが、女性たちは当局の警告を無視して自動車を運転、その映像をインターネット上で公開するなどして抗議してきました。
しかし、“変化の風”が吹き始めました。
2015年に地方議会選挙で女性の立候補と投票権が初めて認められた他、今年、公立学校で女子の体育の授業が解禁されました。
そして遂に女性に対し、自動車の運転免許証を発行出来るように国王が法律を改めることを決めたと発表されました。
サウジアラビアの女性活動家は、自身のツイッターに次のような投稿をしました。
「地球上で最後の国が女性に自動車の運転を許可した。私たちはやった。雨は1滴から始まる。」
こうした男女の格差や不平等ですが、世界経済フォーラムがまとめた男女の平等に関する国別の調査(2016年度)で、サウジアラビアは下から4番目の141位、日本はなんと111位とG7、先進7ヵ国中で最下位でした。
ちなみにネット検索した結果(詳細はこちらを参照)、2017年版「男女格差報告」では、日本は調査対象となった144ヵ国中114位で、前年より順位を三つ下げ、やはりG7で最下位でした。
なお、アメリカは49位、中国は100位、韓国は118位で、アジアのトップはフィリピンの10位でした。
評価を落としているのが政治や経済の分野です。
国会議員や経営者などで女性の比率が低いとされています。
専門家は、順位を上げるためには、家事や育児などの役割を男性と分担し、社会に進出する壁を低くすることが必要だと指摘します。
世界の男女格差の研究をしている、お茶の水女子大学ジェンダー研究所のシン キヨン准教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「民主主義の歴史が長く豊かな国で、経済・政治分野に女性があまり進出していない。」
「また、男女ギャップが開いていることは、予想外というか驚くことだと思います。」
「その壁を取り除くようなことと、後押しするような制度導入が必要だと思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
現在、安倍政権は少子化対策を進めようとされておりますが、世界男女格差がG7中最下位という不名誉な結果を重く受け止めていただきたいと思います。
その際、女性が子育てと両立させるかたちで安心して社会進出出来るような環境づくりを、断片的な対応ではなく。子どもの出産から大学卒業出来るまでの全ての期間を通しての包括的な対応策が求められます。
是非、他の先進国の事例も参考にして、実効性のある取り組みをしていただきたいと思います。
男女格差の解消、および女性の社会進出は、女性の生きがいにつながるばかりでなく、少子高齢化に伴う労働力減少の解消にもつながる、まさに国家的なプロジェクトと言えるのです。