2017年12月07日
アイデアよもやま話 No.3880 フォトトロピンが農業革命をもたらす!?

9月17日(日)放送の「未来の起源(TBSテレビ)で植物が低温を感じる仕組みについて取り上げていたのでご紹介します。

 

宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターでこれまでに知られていない植物の謎に取り組んでいる児玉 豊准教授(38歳)は、植物が低温を感じる仕組みを見つけました。

注目したのは、光合成を行う葉緑体です。

葉緑体は低温に反応して細胞内の位置を変えます。

この現象を制御しているのがフォトトロピンというたんぱく質です。

児玉さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「フォトトロピンは酵素活性を持っているんですけど、酵素は温度が上がると活性が上がっていくんですけど、フォトトロピンの場合は低温になると酵素活性が上がるという現象を持っていて、これは温度を感じているんじゃないかということに気付きました。」

 

フォトトロピンの性質を特定出来たことで、温度を感じるメカニズムを変化させれば気温の急変に強い作物を作ることが出来、冬の時期でも安定した農作物の収穫量が期待出来ます。

 

さて、研究の原動力について、児玉さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「知りたいということですかね。」

「僕らは顕微鏡で観察することが多いんですけど、見たこともない、教科書にも書かれていないことがいっぱい起こるんですよ。」

「学生さんとか共同研究の人たちが非常に助けてくれるので、彼らの協力が一つの原動力かもしれないです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

光合成を行う葉緑体は低温に反応して細胞内の位置を変える、そしてこの現象を制御しているのがフォトトロピンであり、低温になると酵素活性が上がるという特性を持っているというのです。

ですから、この温度を感じるメカニズムを変化させれば、冬の時期でも安定した農作物の収穫量が期待出来るというわけです。

この研究が進み、将来的に季節を問わず安定的に農作物の収穫が出来るようになれば、場所を問わず地球上のどこでも農業を行うことが可能になると期待出来ます。

本当にこの研究が実用化に結び付けば農業革命と言っていいくらいに農業のあり方を大きく変えることが出来ます。

ですから、研究体制を拡充させて、是非研究を進めていただきたいと思います。


 
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