11月3日(金)放送の「日経プラス10」(BSジャパン)でウイルス攻撃が100%防御可能になるセキュリティソフトについて取り上げていたのでご紹介します。
今、コンピューターへのサイバー攻撃が世界的に問題になっております。
例えば、大企業からの情報漏えいがあったり、先のアメリカ大統領選挙でもサイバー攻撃があったり、ワナクライという身代金を要求するウイルスが問題になったりしていました。
こうしたサイバー攻撃はウイルス対策ソフトを入れておけば一時的に対応出来るのですが、すぐにまた新しいウイルスが出てきて、またそれに対応するというように100%防ぐことは難しいというのが現状です。
ところが、今回、そういったサイバー攻撃を封じ込める新しいシステムが出来たというのです。
社員数わずか十数人の株式会社ブループラネットワークス(Blue Planet-Works)(東京都渋谷区)は、全く新しい概念のセキュリティソフトを手掛けており、この会社には全日空、JTB、第一生命、電通など日本の名だたる企業が出資しています。
また、連日、様々な企業からセキュリティ講習会に参加しています。
ブループラネットワークスの代表取締役、中多 広志さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「(このセキュリティソフトは、)長い年月をかけてアメリカの政府機関が作りました。」
「それが採用されて、(効果が)立証されてきたということですね。」
「今回、民間に出るということになりまして、私どもがそのソースコードからIP(intellectual
property 知的財産)まで全て手にすることが出来たということです。」
今までのセキュリティソフトは、ウイルスによる攻撃を入口でブロックするという発想だったのです。
ですから、ビルに例えれば入口のところでウイルスの侵入を食い止めるというものでした。
ところが、1日に100万個ものウイルスが出来てくるので、そのたびに対応するセキュリティソフトを作ってもいたちごっこ状態なのです。
ところが、ブループラネットワークスのセキュリティソフトは、ビルの1階のロビーまでは自由に入ることが出来てしまいます。
しかし、エレベーターに乗って役員室まで上がるような不審な動きをするとその動きを止めてしまうのです。
ですから、いたちごっこではなく、どんなウイルスであっても、不審な動きをしたらその場ですぐにプログラムを駆除してシャットアウトするという全く新しい発想のセキュリティソフトなのです。
これは使えるということで、日本の名だたる大企業が注目しているのです。
さて、「変なメールが届いたらクリックするな」とよく言われていますが、ある大手旅行代理店で実際にあった例として、大手の航空会社のメールアドレスでメールが送られてきました。
つまり、メールアドレスを乗っ取られてウイルス付きのメールが届けば、クリックしてしまいます。
ところが、今回ご紹介したセキュリティソフトだと、クリックしてしまってもそのウイルスが不審な動きをした時点で、その動きを止めてしまうのです。
更に、このセキュリティソフトは非常に軽量なので、今後スマホなどのウイルス対策としても使えると見込まれています。
これから2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたって、こうしたウイルス対策の議論が進められている中で、非常に有効な対策の一つになるのではないかと見られています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
冒頭でもお伝えしたように、現在、コンピューターへのサイバー攻撃が世界的に問題になっており、その被害総額やパソコンの修復の手間などから考えると、影響の大きさは計り知れません。
そうした中、今回ご紹介したウイルス攻撃が100%防御可能になるという画期的なセキュリティソフトは、セキュリティリスクの究極の対応策として大いに期待出来ます。
しかも、軽量なのでスマホなどへの適用も出来るといいます。
実際の市販化時期や料金は未定のようですが、是非1日も早く市販化出来るように開発を急いていただきたいと思います。
一方で、こうした画期的な商品の登場は、これまでのセキュリティ会社にとっては死活問題となります。
ビジネスの世界は、こうした非情な側面がありますが、広い視野で見れば、いつの時代もユーザーにとってよりメリットのある商品へのシフトが“世の常”なのです。