2017年11月27日
アイデアよもやま話 No.3871 低価格化の進む”終活”ビジネス!

8月23日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で低価格化の進む”終活“ビジネスについて取り上げていたのでご紹介します。

 

高齢化が進む中、自らの死後について備える終わりのための活動と書く“終活”が注目されています。

1993年には約400万円だった葬儀費用が2015年には約210万円と半分ほどに減っているのです。

この“終活”市場では、お金のかけ方に対する意識が変わってきており、それに合わせて商品やサービスも様変わりしています。

 

8月23日から3日間にわたって開催された「エンディング産業展 2017」(東京ビッグサイト)では、葬儀や埋葬などいわゆる“終活”に関する企業が300社以上集まり、日本最大の展示会で会場には今の時代に合わせた最新の商品が並びます。

これまで大量に使っていたドライアイスを使用せず、電気で遺体を冷却・保管する装置や一粒一粒、故人の遺骨から作るという真珠、更にはお経を読むペッパーまであります。

更にはお墓の引っ越しが出来る新しいお墓まであります。

こちらは株式会社愛心による「のうこつぼ」と名付けられたコンパクトな集合型のお墓です。

この「のうこつぼ」は全国40ヵ所以上の寺院に設置されており、引っ越しの際は遺骨のみ移動させることが出来るため、残された家族の負担が少ないといいます。

愛心の櫻井 祐貴社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「今はほとんど“お墓じまい”といってお墓をつくる人が大変少ないんですね。」

「それに対して、(従来のお墓と比べて)低価格、49万8000円。」

 

最近はこのように遺族の負担が極力少なく済むことが“終活”の大きなポイントになっているのです。

 

同じく、遺族の負担が少ないことから、ここ数年人気が高まっているのが樹木葬です。

株式会社アンカレッジの伊藤 照夫社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「2012年に東京都が樹林墓地を都営墓地で始めたことをきっかけに、当時は23区内では私たちともう1ヵ所くらいしかなかったんですが、今は数えられないくらい(増えています)。」

 

この樹木葬について、浄土宗 來迎山道往寺の柏 昌宏住職は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「お骨が2つまで入るんですけども、主に夫婦や母娘の二人で入るためのお墓になっています。」

 

そこにあったのは、草木や花に囲まれた墓石でした。

好きな言葉やイラストを残すことが出来ます。

こうした自由さと自然を感じられる環境に加えてこちらの樹木葬が特に好評な理由があるといいます。

柏住職は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ここのタイプは永代供養墓になるわけですね。」

「で永代供養墓はお墓を引き継がなくてもいい。」

「ご結婚なさってない方とか、女のお子さんしかいらっしゃらない方が多いですから、こういうタイプのお墓をお寺で用意するということで、今人気があるんじゃないかなと。」

 

「子どもに迷惑をかけたくないと皆さんおっしゃるんですね。」

「だんだん子どもが少なくなってきているし、一人っ子が多かったりですね、そういう中で代々引き継がなくていいお墓のニーズがあるんじゃないでしょうか。」

 

こちらの樹木葬は、13年間の埋葬期間を終えると合葬される、永代供養を組み合わせてあるのです。

お墓の引き継ぎや戒名する必要がない上、費用も1区画90万円からと比較的安く済みます。

こうした利点からこのお寺では利用の申し込みや問い合わせが相次いでいるといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

考えて見れば、国内では一般的に人が亡くなれば、その家を継ぐ家族の場合、代々のお墓のあるお寺の住職に戒名を付けていただき、お通夜、葬儀、四十九日、新盆、一周忌、三回忌などの法事が続き、それぞれに大なり小なりお金がかかります。

更に、家を継がない人の場合には新たにお墓を購入することが求められます。

これには最低でも100万円近くのお金がかかります。

 

一方で、今は収入の安定した正社員ではないアルバイトや契約社員の割合が増えています。

こうした収入が安定せず、しかも正社員に比べて収入の少ない一人暮らし、あるいは家族にとって、従来の宗教的なしきたりに則った一連の法事を一通りやりたくても資金的な事情で出来ない方々が出てくるのは止むを得ません。

こうした事情を抱える方々に応える受け皿として、「のうこつぼ」などのコンパクトな集合型のお墓や樹木葬、あるいは代々引き継がなくていい永代供養墓、更にはこれらの組み合わせはとても助けになります。

また、家を継いだ方にとっても、様々な事情により代々のお墓のあるお寺から遠く離れた地域に居を構えた場合、“お墓じまい”をして現在住んでいるところから近い場所に新たにお墓を購入するという話も聞きます。

あるいは、高齢を迎え、自らお墓参りをすることが出来なくなった場合の受け皿として、本人に代わってお墓詣りするサービスもあるといいます。

 

少なくとも若者が地方から都会に出て働くようになった都市化が進むまでは、それぞれの地域で、お互いに協力し合って様々な法事をこなしてきました。

ですから、法事にかかる費用もそれほど負担にならなかったのです。

しかし、いつの頃からか、地域住民の負担も減ることから、一連の法事のほとんどは葬儀会社に依頼することにより、その結果、葬儀費用がグンと増えてしまいました。

一方で、格差社会を迎え、そして宗教との係わりが本来の信仰心からかけ離れ、一連の法事が単なる行事として定着してきたこと、更には人々の価値観の多様化が先ほどの「のうこつぼ」などの一連のビジネスにつながっていると思います。

 

さて、私もやがて長男として家代々のお墓を継ぐ身にありますが、最近お墓の行く末をいろいろと考えてしまいます。

というのは、私の場合、男の子の孫もいるので、その孫の代までは何とかお墓を守ってもらえると期待出来ます。

しかし、その先の代ではいずれお墓を守ろうと思っても、様々な事情で守れない人が必ず出てきます。

そうした時に、代々のお墓はどうなってしまうのかという不安です。

せめて、今のお寺で永代供養墓や“お墓じまい”でもどこか他の地域に骨壺が移されて永代供養墓にしてくれれば、と思います。

そのためには、それなりのお金が必要です。

このように考えていくと、こうした要求に応える保険ビジネスもやがて登場してくるのではないかと思ってしまいます。

 

一方で、価値観の多様化によりアイデアよもやま話 No.3469 宇宙葬で人生最後の旅は宇宙!でもお伝えしたようにお金に余裕のある方向けに宇宙に自分の遺灰の一部を送ってくれるビジネスまで登場しています。

ですから、あの世においても、手持ちのお金による格差が出てくるのです。

 

いずれにしても、あの世のことは誰にも分かりませんが、気分的にはお墓に入っても自分の居場所は先祖代々の遺骨とともに今あるお寺の場所にいたいというのが私の今の想いです。


 
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