2017年11月20日
アイデアよもやま話 No.3861 現代版ヒッチハイク!

ドライブをしていて、ごくたまにサービスエリアなどでヒッチハイクの人を見かけることがあります。

そうした中、8月15日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で現代版ヒッチハイクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

自動車を使った新しい移動のかたちが始まっています。

それが次世代型ヒッチハイクです。

8月15日、茨城県取手市の駅に1台の自動車がロータリーに停まっていました。

そこへ大きな荷物を運ぶ男性が来て、この自動車に荷物を積み込むと、挨拶もそこそこに出発しました。

ドライバーのSさんはひな人形の販売をしていて、この日は茨城から東京・渋谷へ向かいます。

一方、この自動車に乗り込んだMさんはタイで働いています。

SさんとMさんは話がかみ合いませんが、実はこの二人は初対面なのです。

 

初対面の二人が同じ自動車に乗っていた理由は「ノリーナ(nori−na)」というアプリです。

ある目的地に行くドライバーと同じ方向に行きたい人をアプリ上でマッチングさせます。

さながら現代版のヒッチハイクです。

先ほどのヒッチハイカーのMさんが日本へ帰省中で渋谷へ向かうために「ノリーナ」を使ったのです。

Mさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「荷物が多くて大変だと思って、都内まで行こうと思うと乗り換えもかなり多いので・・・」

 

一方ドライバーのSさんは番組の中で次のようにおっしゃっています。

「一人で行ってしまうと眠たくなってしまいますけど、二人で行ってしまえば会話が出来るし、隣に人が乗ってる緊張感で眠たくなることもないです。」

 

Sさんが運転して渋谷を目指す途中の料金所では、Sさんが高速代を支払います。

同乗者のMさんは支払うそぶりを見せません。

実はMさんは事前にガソリン代と高速代を割り勘した1721円を「ノリーナ」を通して支払い済なのです。

茨城県にある藤代駅から目的地の東京・渋谷駅まで電車では906円、一方タクシーの場合は約2万円(高速代を含む)かかります。

およそ1時間半で渋谷へ到着しました。

電車と比べると時間はかかりましたが、タクシーと比べると大幅にお金を節約することが出来ました。

Mさんは、渋谷に到着後次のようにおっしゃっています。

「ストレスもなくスムーズに行けて非常に快適でしたね。」

「特に荷物も沢山あるので非常に楽して来れたなっていう感じですね。」

 

一方、Sさんは次のようにおっしゃっています。

「楽しいし、金銭的な面も半分になるんで喜ぶっていうか。」

 

さて、「ノリーナ」を開発したのは横浜市にある株式会社ゼロトゥワン(ZERO TO ONE)社長の河野 映彦さんで、本業は自動車の中古部品をインターネットで販売することです。

河野社長は番組の中で次のようにおっしゃっています。

「車が大好きなユーザーを非常に抱えておりますので、そういった方々の車に乗ってもらう機会を提供することで新しい車好きユーザーを増やせるのではないかということで始めたのが「ノリーナ」というアプリになります。」

 

「(ユーザーの傾向について)、やはり共通の目的に行く人が多いのかなと思っておりまして、同じスポーツを観戦に行くとか、観戦した後で帰る時に使われるとかというのが多いかなと思っています。」

「スポーツのイベントホルダーや(音楽などの)コンテンツホルダーと提携関係を結ぶことによって、そういったイベントにどんどん集客することで(ユーザーの)人数を増やしていきたいと考えております。」

 

そこで「ノリーナ」のアプリのトップには自動車レースや音楽フェスティバルの予定を表示、まずは同じイベントを好む人どうしの交通手段として定着させる戦略です。

 

こうして去年、2016年10月に「ノリーナ」のサービスを開始、今年7月には約800件の相乗りが成立するまでに成長しました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

従来のヒッチハイクは、いつ自分の行きたい場所に行く自動車が来るか、ひたすら待つというものでした。

しかし、「ノリーナ」を使うことによって、事前に予約することが出来るようになったので、あてもなく待つ必要はありません。

しかも、目的地に到着するまでにかかるガソリン代などの料金もあらかじめ分かっているので両者でもめることもありません。

また、特定のコンサートなどに行くことを目的としたドライバーとヒッチハイカーが往復で「ノリーナ」を利用した場合には、同じミュージシャンのファンとしてドライブの途中の話も盛り上がると思います。

更に、こうした縁で友達つき合いに発展することもあると思います。

ですから、河野社長の考える、まずは同じイベントを好む人どうしの交通手段として定着させる戦略はとても理に適っていると思います。

しかし一方で、こうしたサービスは見ず知らずの人どうしがドライブすることになるので、犯罪に結びつくリスクがあることも忘れてはならないと思います。


 
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