2017年11月13日
アイデアよもやま話 No.3859 中東ドバイが「未来都市」に変貌中 その1 ドバイの空を飛行するタクシー!

8月14日(月)付けネット記事(こちらを参照)で「未来都市」に変貌中の中東のドバイについて取り上げていたので5回にわたってご紹介します。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の商都ドバイでSFの世界のような驚きのプロジェクトが進行中です。

世界のスタートアップ企業からアイデアを募り、そのパイロット事業をドバイで実施することでイノベーションを加速する狙いです。

輸送、建設、医療など7つの分野で将来のビジョンを描き、ポスト石油時代の「未来都市」を他国に先駆けて実現しようとしているのです。

そこで1回目にご紹介するのはドバイの空を飛行するタクシーについてです。

ちなみに、“空飛ぶ自動車”については、これまでもアイデアよもやま話 No.3706 自動車をめぐる新たな動き(2) その4 現実味を帯びてきた「空飛ぶ自動車」の実用化!アイデアよもやま話 No.3760 日本でも開発が進む”空飛ぶクルマ”でご紹介してきました。

 

7月、ドバイの空をタクシーが飛行します。

ドバイの空を飛行するタクシーは、空撮などに使われているドローンを一人乗りに改良した車両で、「自律航空車両(AAV)」とドバイ政府は呼んでいます。

8つのプロペラで空中での姿勢を制御するとともに、推進力を得る仕組みです。

乗客は車内に設置されたタッチスクリーンを見て、表示された地図で行き先を指定すると、自動で離陸して目的地まで飛んで行きます。

ですから運転手はいません。

 

ドバイが飛ばす「AAV」は中国広州市に本社を置くドローンメーカー、広州億航智能技術(イーハン)が開発中の「EHang 184 」という機種です。

大きさは長さ4m、幅4m、高さ1.6mで、重さは250kgです。

最高時速160kmで30分のフライトが可能としているので、80kmは飛べる計算です。

90m以下の高さを飛ぶことを想定しており、動力源は電池で、充電に要する時間は1〜2時間です。

 

ドバイ政府は2030年までに個人の移動の25%を自動運転にするという目標を掲げています。

ドバイは交通渋滞がひどいことでも知られ、自動運転による移動の効率化への関心が高いのです。

 

以上、ネット記事の内容をご紹介してきました。

 

この記事に接し、その後の動きが知りたくなり、ネット検索した結果、こちらのネット記事より以下のようなことが分かりました。

9月25日、ドバイは、空飛ぶタクシーに使用するドローンの試験飛行を開始しました。

このドローンはドイツのボロコプター社が開発しました。

2人乗りのヘリコプターに似た形状で、屋根部分の大きなリングに18基のプロペラが付いています。

試験飛行は無人で行われました。

ドローンの最大飛行時間は30分です。

予備バッテリーなどのほか、最悪の事態に備えてパラシュート2個が積まれるなど、安全対策も講じています。

ボロコプター社は5年以内の運用開始を目指しているといいます。

 

このように、ドバイでは一人乗りの「EHang 184 」と二人乗りの「Volocopter 2X」の2機のドローンが同時に開発中なのです。

現在、自動車業界は世界的にEV(電気自動車)シフトが話題になっていますが、一方では同時進行で空飛ぶドローンタクシーの開発がドバイで進められているのです。

しかも、同じような時期での実用化が計画されており、どちらも自動運転を目指しています。

 

さて、ここで大きな課題は一般道路や空での安全規制です。

空での安全規制は陸上に比べて格段にハードルが高いと思われます。

ですから、安全機能を備えた自動運転のEVの方が一足先に実際の導入が始まり、その後しばらくして当初は安全を考慮して限定地域での空飛ぶタクシーの導入が始まると思われます。

 

いずれにしても、2030年頃には陸や空の移動手段は現在とはがらりと変わっていると見込まれます。

その結果、私たちは移動手段に関してはこれまでとは格段に便利になっているはずです。


 
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