2017年10月29日
No.3846 ちょっと一休み その618 『台風21号で迎えた恐怖の夜!』

10月21日から23日にかけて日本列島を縦断した超大型の台風21号は各地で大きな被害をもたらしました。

私の実家のある千葉県の外房でも10月22日(日)の深夜から23日(月)の明け方にかけて、最大瞬間風速40m近くの強風が続きました。

ちなみに、私の実家は築100年近くの古い木造住宅です。

私はこの日、実家に来ていたのですが、一時頃トイレのために起きてからは強風による家屋を揺るがすほどの凄まじい音に悩まされ、ほとんど眠れませんでした。

この家屋の揺れと音には、家が壊れてしまうのではという恐怖感さえ覚えました。

ちなみに、朝を迎えてから近所の親戚からも同様の感想を聞きました。

そして、寝付かれず、起き上がって新聞を読んでいたら、いきなり停電になりました。

しかし、しばらくすると電気がついたのですが、やがてまた停電ということが3、4回繰り返され、6時頃に停電になった後は、11時頃まで停電が続きました。

こうした状況から、トイレに行くのに懐中電灯を持って行ったり、据え置き型の照明装置のもとで新聞を読んだり、あるいは朝方風が収まった頃合いに最寄りの病院まで車で行く途中、停電で機能していない信号機の交差点で注意深く車を進めたり、海岸沿いを走っている時に強風にあおられた波の直撃を受けたりと、久しぶりにいろいろな体験をしました。

 

幸いにして家屋の被害はありませんでしたが実家の庭には沢山の小枝や柿の実が散乱しており、その片付けに小一時間ほどかかりました。

また、実家の前の浜では村の何人もの男性が浜辺に打ち上がったゴミの片付けに半日近く取り組んでおりました。

 

さて、今回あらためて感じたのは電気の有りがたさです。

今や、ほとんど全ての食糧はスーパーやコンビニで購入しており、電子レンジでチンすればそのまま簡単に食べることが出来ます。

ですから、停電になり電子レンジが使えなくなると、スーパーで購入する食品も限られてくるのです。

今回はお昼前に停電から回復したのでこうした悩みも解消されました。

こうした悩みから、オール電化の弱点にあらためて気づきました。

オール電化だと、停電になると食材を温める手段がなくなってしまいます。

しかし、電気とガスを併用していれば、停電になってもガスで温めることが出来るのです。

ですから、将来的にオール電化を普及させるうえでは、停電対策として少なくとも1日分の消費電力量を賄えるだけの容量の家庭用バッテリーが必須なのです。

また、今回感じたのは地方にもある停電格差です。

町の中心街、すなわち市役所や病院などの公共施設のある地域は停電になりませんでした。

そして、停電が回復していくのも中心街に近い地域から遠い地域へという順番なのです。

 

さて、このような身近な台風の体験をしてみて、台風などの被害で避難所で何日間も過ごさざるを得なくなってしまった方や家屋を失ってしまった方の苦労や今後の不安などの心労の大きさがいかほどかを垣間見たような気がします。

 

地球温暖化は今後少なくとも何十年かにわたって世界規模で進むと見込まれます。

そうすると、今後世界規模で観測史上最大の台風が次々に到来し、やがて以前お伝えしたフィリピンを襲った瞬間最大風速100m近くの超巨大台風が日本列島に上陸することも大いに考えられます。

そうなると、強風にあおられた津波のような高潮が海辺の地域を襲います。

ですから、私の実家のように海岸近くの地域では、恒常的な高潮の被害リスクから将来的には住めなくなるかもしれません。

当然、世界規模でのこうした被害が世界経済に与える影響も計り知れません。

 

このように考えてくると、やはり目先の経済成長に囚われることなく、世界的に地球温暖化対策を強力に進めることは不可欠だと思うのです。

こうした観点から、中国に次いで世界第2位のCO2排出国、アメリカのトランプ大統領の政策は、明らかに時代の流れに逆行しているとしか思えません。

 

さて、巨大台風が去って翌日24日の早朝、まだ日の出前でしたが、いつものように実家近くの海岸に太極拳をやりに行きました。

海岸に着くと、誰もいない静けさの中で青空に浮かぶ帯状の雲とうっすらと見えるこれから昇ろうとする太陽の光の光景がなんとも言えず、とても美しく見えました。

自然は私たち人類にとって豊かさに必要な様々なモノを提供してくれるだけでなく、こうした素晴らしい景色も楽しませてくれます。

一方で、巨大台風や巨大地震、あるいは巨大津波のように、一瞬のうちに私たちの命を奪ったり、家屋を破壊したりする恐ろしい存在でもあります。

 

こうした中で、少なくとも地球温暖化に伴う災害は私たち人類の知恵や活動次第で食い止めることが出来るのです。

そう考えると、現在の地球温暖化に伴う様々な災害は人災と言えるのです。

このことを私たち一人一人は重く受け止めなければならないと思うのです。


 
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