これまでアイデアよもやま話 No.2272 超小型衛星早くもビジネスに!やアイデアよもやま話 No.3469 宇宙葬で人生最後の旅は宇宙!で超小型衛星による宇宙ビジネスについてご紹介してきました。
そうした中、7月30日(日)放送のニュース(NHK総合テレビ)で最新の超小型衛星による宇宙ビジネスについて取り上げていました。
そこで今回はその中の一つ、人工流れ星について9月21日(木)付け読売新聞の夕刊記事の内容も合わせてご紹介します。
これまで半世紀、国家が主導してきた宇宙開発ですが、技術の進展とコストの低下によって今、民間レベルでの開発が可能になりつつあります。
日本では今様々なベンチャー企業が工夫を凝らした宇宙ビジネスに挑戦する動きが広がっています。
その一つが人工的な流れ星です。
東京のベンチャー企業が2019年世界でも初めての試みに挑戦します。
打ち上げるのは金属の球です。
超小型衛星で球を打ち出し、大気圏に突入させ、燃え尽きさせます。
一つの衛星で打ち出す球は数百発、花火大会のように流れ星を楽しむイベントとして売り込むことでビジネスとして成功させたいと考えています。
岡島 礼奈さん(38歳)は、2011年に東京・赤坂にある雑居ビルの1室に株式会社ALEという宇宙新興企業を一人で立ち上げました。
流れ星は、小さな塵などが宇宙から地球の大気に飛び込み、高温になって光る現象です。
ALEは人工的に流れ星を作る事業に挑戦しています。
上空約400kmの軌道を回る人工衛星から小さな金属球を放出し、地球を3分の1周ほど回ってから、大気圏に突入するという構想です。
ALEは複数の大学と共同で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)にある大気圏突入時の環境を再現出来る装置を使い、材質や大きさを変えた金属を発光させる実験を続けてきました。
気になるこの仕組みについて、岡島さんは企業秘密と言います。
岡島さんが人工流れ星を思いついたのは、東京大学で天文学を専攻していた2001年11月です。
しし座流星群の大出現を見ようと、友人と千葉県の山間部に出かけました。
感動はしましたが、寒さが身に沁みました。
「温かい時期に見られたら、もっとリラックスして楽しめるのに・・・」
卒業すると、起業の志を胸に金融機関に勤め、経営のノウハウを学びました。
ALEの設立後、投資家や技術者の協力を得るため奔走しました。
起業の5年後、ようやく社員第1号のエンジニアを採用し、人工衛星や放出装置の開発を本格化させました。
来年末に人工衛星を打ち上げて通信などをテストし、2019年に広島で流れ星を降らせる最初のイベント実現させる計画です。
2020年東京オリンピックに合わせ、夜空を流れ星で彩る夢もあります。
岡島さんは、「天文学は役に立たない、と言う人もいる。宇宙とエンターテインメントを結びつけ、ビジネスとサイエンスを両立させたい」と意気込んでいます。
岡島さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「我々が先陣を切っていくという心意気で臨みたいと思っています。」
しかし、実現には課題も多いといいます。
球を放出する速度や角度が少し変わっただけで、流れ星が見える時間や場所がずれるのです。
また、実現しても曇りや雨だと見えず、天候に左右される事業のリスクもあります。
以上、番組、および記事の内容の一部をご紹介してきました。
人工的に流れ星を作るというアイデアはとても夢があり、ワクワクしてきます。
そもそもこうしたアイデアを思いつくこと自体に、岡島さんの物事に囚われない発想の豊かさを感じます。
さて、この人工流れ星がビジネスとして本格稼働したら、ディズニーランドなど多くのレジャー施設や結婚式のイベントとしてなど、世界中から引き合いが来ると大いに期待出来ます。
夜空一面にいろいろな色の人工流れ星が降って来る光景をイメージしただけで、夢心地の気分になってきます。
是非、人工流れ星がビジネスとして立ち上がり、1日も早く多くの人たちを楽しませてくれるように岡島さんに頑張っていただきたいと思います。