7月23日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)でリチウムイオンバッテリーの高速充電を可能にする新技術について取り上げていたのでご紹介します。
東京工業大学物質理工学院で電子機器をより良くするための研究を行っている特任講師の清水 亮太さん(33歳)は、リチウムイオンバッテリーの性能をいかに向上させるか、次世代のバッテリーをどのように作るかということについて興味を持って研究しています。
携帯電話やパソコンに使用されている現在のリチウムイオンバッテリーは、内部は液体を使用し、リチウムイオンが移動することで充電を行っています。
しかし、液漏れ、バッテリーの爆発などの問題を抱えています。
そこで、清水さんたちは、それを全部固体で作ることを目指しています。
液体に替えて固体にすることで、安全性が高まります。
しかし、電極と固体の間の移動がスムーズではないのです。
そこで、清水さんたちは接する面を原子レベルで制御し、移動の抵抗を液体の時より5分の1にすることに成功したのです。
これにより、安全で高速充電が可能なバッテリーの開発が期待されます。
なお、研究の原動力について、清水さんは番組の中で次のようにおっしゃっています。
「実態のあるものを残したい、「面白いものが作れたんです」っていうようなものを常に意識してやっていきたいと思っています。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今後EV(電気自動車)は中国をはじめ世界的に、しかも予想以上に短期間で普及していくと見込まれます。
そうした中、今回ご紹介した、これまでの液体に替えて個体にしたリチウムイオンバッテリーが実用化されれば、安全でしかもこれまでよりも5倍近く高速に充電することが可能になるのです。
更に、バッテリーのコストも安くなれば、バッテリーがEVの価格を押し上げている大きな要因といわれるEVの価格をガソリン車に近づけることが出来るのです。
ですから、今回ご紹介したようなEVの普及に大きく貢献出来るような研究に対しては実用化に向けて国が積極的にいろいろな面で支援して欲しいと思います。