2017年09月30日
プロジェクト管理と日常生活 No.508 『北朝鮮の核・ミサイル実験に見る核兵器廃絶の必要性 その2 『北朝鮮による核・ミサイル実験の行方!』

最近の北朝鮮による強硬に進める核・ミサイル実験の報道に接して、なぜ北朝鮮はこうした動きをするのか、そして世界や日本はこうした動きについてどのように対応すべきなのかなど、いろいろと疑問が湧いてきました。

そこで、リスク管理の観点から6回にわたってこうしたことについてお伝えしていきます。

2回目は、北朝鮮による核・ミサイル実験の行方についてです。

 

9月4日(月)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で「北朝鮮による“水爆実験”の衝撃 危機の行方は」をテーマに取り上げていたのでご紹介します。

 

北朝鮮は9月3日に過去最大の大揺れを観測した6回目の核実験が強行されました。

この結果について、朝鮮中央テレビでは次のように伝えています。

「大陸間弾道ミサイル搭載用水爆実験を成功裏に断行しました。」

「ICBMに搭載する水爆の実験に完全に成功しました。」

 

北朝鮮が初めて核実験を行ったのは2006年10月、爆発規模は回を重ねるごとに大きくなり、次第に広島、長崎型の原爆レベルに近づいてきました。

2016年に行われた5回目の実験では最大で12キロトン程度、この時はまだ多くの専門家が水爆に達するレベルではないとしていました。

ところが、6回目の実験の爆発規模は過去最大の160キロトン(*)(番組では70キロトンと伝えたが後に防衛省で修正)、水爆に限りなく近い爆発力が観測されたのです。


* 広島に投下された原爆15キロトンの10倍以上の威力

 

更に、9月15日(金)放送の「深層NEWS」(BS日テレ)でもその後の北朝鮮の動きについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

 

国連安保理(国連安全保障理事会)の新しい制裁決議のわずか3日後の9月15日(金)(日本時間)に弾道ミサイル1発を発射、8月に続いてミサイルは北海道の上空を通過し、太平洋上に落下しました。

今回の発射で大きな意味があるのは飛行距離が前回の約2700kmから約3700km以上に伸びたことです。

この距離はアメリカの軍事基地のあるグアムまでの距離3357kmを超えるものです。

今回の弾道ミサイルは、距離では北朝鮮が標的としたグアムを射程に収めます。

韓国国防省の関係者は、今回実際にグアムを攻撃する能力があることを誇示する狙いがあったと分析しています。

こうした中、北朝鮮に融和的とされてきた韓国の文大統領が強硬姿勢に舵を切り、次のように表明しています。

「このような状況では対話も不可能だ。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

また、9月17日(日)放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)では、16日(土)の朝鮮中央テレビでの北朝鮮の金正恩党委員長の次の言葉を伝えていました。

「核戦力完成の目標をいかに達成するかをはっきりと見せつけなければならない。」

「今やその終着点にほとんど到達した。」

 

国連安保理の制裁決議のわずか3日後に北朝鮮がミサイル実験を強硬したことに対し、さすがの文大統領も対話による解決は不可能と判断しました。

一方、北朝鮮の最終目的はアメリカ本土に届くようなアメリカ東部に到達可能な長距離弾道ミサイル(ICMB)と核兵器の開発ですから、今後とも目的達成まで実験の手を緩めることはないはずです。

 

更に、アメリカも戦争を含めたあらゆる選択肢があると表明しています。

 

こうした状況から、北朝鮮の最終目的の達成の時期を焦点に、アメリカと北朝鮮の両国、および国連安保理の対応次第で両国は戦争へと突き進むリスクが高まっています。

しかも、6回目の実験の爆発規模は過去最大の160キロトンで、広島に投下された原爆の10倍以上の威力といいます。

更に、トランプ大統領と金正恩党委員長との激しい言葉の応酬が続く中、増々緊張が高まっています。

そうした中、その後の報道によれば、9月21日に北朝鮮の李容浩(リ ヨンホ)外相は、次に起こる挑発行為について、次のようにおっしゃっています。

「私の考えでは、おそらく史上最大の水爆実験を太平洋上でやることになるのではないかと思う。」

 

こうした緊迫した状況ですから、複数の米軍基地のある日本としては、何としても平和裏に北朝鮮による核・ミサイル開発問題を解決する道を見つけて両国、あるいは国連安保理に働きかけなければならないのです。

これは、まさに日本国としての国家安全保障の究極のリスク対応策と言えます。


 
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