何歳になっても虫歯の治療を嫌だと思う人は多いと思います。
そうした中、8月23日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で虫歯の最新治療について取り上げていたのでご紹介します。
今、虫歯の治療法が大きく進化しています。
心臓病などの重い病気を引き起こすこともある虫歯、その虫歯を蒸発させるという最近治療法が開発されました。
成人の9割以上が経験しているという虫歯、現在国内の患者数は約180万人といいます。
歯を失う原因の3割が虫歯といいます。
虫歯は、ミュータンス菌などの細菌が作り出す酸によって歯が溶けてしまう病気です。
虫歯を放置しておくと、細菌が血液中に流れ出し、重い心臓病を引き起こすこともあります。
実は恐ろしい虫歯、その治療の最前線では、痛みのない新しい虫歯の治療法が登場しています。
誠敬会クリニック銀座(東京都中央区)で治療に使うのは、「エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)」という最新のレーザー装置です。
このレーザーは水だけに反応し、一瞬で水を蒸発させる特徴があります。
虫歯になると、歯が溶けた部分に水分が増えます。
そこに「エルビウムヤグレーザー」を照射すると、虫歯の中の水分がこのレーザーに反応、虫歯は水分と一緒に蒸発して消えるという仕組みです。
なお、治療中は目を守るため、サングラスを着用します。
痛みをほとんど感じないため、これまでのように麻酔は必要ありません。
このクリニックではより正確な治療を行うため、専用の顕微鏡を使用しています。
虫歯を取り除いた場所にはこれまでのように詰め物をします。
治療はおよそ10分で終了します。
ちなみに、このクリニックでは、自由診療で治療を行っており、自己負担する治療費は1本2万円といいます。
このクリニックの吉野 敏明医院長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「レーザーを使うことによって、非常に歯を削る量が少なく、非常に低侵襲(負担が少ない)ですよね。」
「振動や痛みが少ない、後は臭いなどの不快感が非常に少ないですね。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
勿論、虫歯にならないため、あるいは虫歯のなりかけで治療してもらうためには、歯医者さんによる定期検診が必要です。
そうすれば、今回ご紹介したような先進的な歯科治療法は必要ありません。
しかし、ついつい先延ばしで本格的な虫歯になってしまうケースもあるのです。
そうした人たちにとって、今回ご紹介した虫歯を蒸発させる治療法は、料金はともかく願ってもない望ましい治療法です。
この治療法もアイデアは既存の要素であることを思い起こさせます。
この治療法も元はと言えば、以下のような観察眼、あるいは思考から生まれたのです。
・歯が溶けた部分に水分が増えるという観察眼
・水だけに反応し、一瞬で水を蒸発させる特徴のあるレーザーがあるという情報の入手
・従って、このレーザーを虫歯に照射すれば、虫歯は水分と一緒に蒸発して消えるはずだという仮説
恐らく、この治療法の発明者は、何とか患者が痛くならない、あるいはこれまでよりも簡単な歯の治療法はないものかといろいろな関連情報に接したり、考え続けていたのではないかと想像されます。
そして、ある日突然のごとく、今回ご紹介した歯の治療法を閃いたのだと思われます。