これまでアイデアよもやま話 No.2449 念じるだけで機械の操作が可能に!などで脳波関連について何度となくご紹介してきました。
そうした中、6月17日(土)放送の「ミライダネ」(テレビ東京)で「脳波を使って感情の見える化」をテーマに取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
1回目は、念じればモノが動く新時代の魔法についてです。
昨年日本で発売されたアメリカ製のおもちゃのドローン「Orbit」(税込み1万3999円でPuzzlebox社より販売)は、専用の機械を頭に付けて「飛べ」と念じることで動かすことが出来ます。
日本で5000個以上売れたヒット商品です。
飛ばすだけで細かいコントロールは出来ませんが、まるで超能力のように動かすことが出来ます。
頭で念じてモノを動かす、この技術は今いろいろな分野で使われ始めています。
金沢工業大学(石川県金沢市)情報工学科の中沢
実教授は、脳波で考えたものを車椅子に反映させる研究をしています。
脳波は、人間の脳から常に出ている微弱な電気信号です。
人間は神経を通じて全身に脳波を伝え、身体を動かしています。
先ほどのおもちゃのドローンを動かしていたのも脳波です。
「飛べ」と念じた人の脳波を感知して動いていたのです。
中沢教授は、障害がある人のために技術を役立てたいと6年前に車椅子の開発を始めました。
頭に装着する脳波計には、脳波を感知出来る16個のセンサーが付いており、それぞれの位置の脳波の強さを測定します。
そして、それぞれの脳波のパターンを覚えさせ、それで車椅子を動かします。
例えば、「前に進め」と考えた時の脳波をコンピューターに覚えさせ、同じ脳波が出た時に前進するようにプログラムします。
こうして思った方向に自在に動かすことが出来るようになるのです。
なお、止めたい時は何も考えないようにします。
将来的には、脳波を記憶させる手順を省いて誰でもすぐに乗れるように改良を進めているといいます。
障害を抱えた人たちが自由に、そして快適に暮らせる世の中にしたい、その夢を実現するため中沢教授は日々研究に打ち込んでいます。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
手足の不自由な方、あるいは足腰の衰えた高齢者にとって、車椅子は移動手段として欠かせません。
しかし、手の不自由な方のためには介助者が必要です。
ところが、念じれば脳波によって車椅子を移動出来るようになれば、こうした方々でも自力で自由に移動することが出来ます。
ですから、中沢教授の夢が実現すれば、こうした多くの方々の行動範囲が広がり、暮らしが快適になるのです。