2017年08月23日
アイデアよもやま話 No.3789 AIの活用事例 (4) その8 AI時代の新しい働き方!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

8回目は、AI時代の新しい働き方についてです。

 

7回目では、「AIは雇用を奪うのか」をテーマに、人類の持つ創造力や欲望が人類を進化させてきた原動力であり、AIが雇用を奪うかどうかは今後の教育のあり方如何にかかっているとお伝えしました。

そうした中、5月25日(木)放送の「視点・論点」(NHK総合テレビ)で、「AI時代の新しい働き方」をテーマに取り上げていたのでその要点についてご紹介します。(内容の詳細はこちらを参照)

なお、今回の論者は東京大学大学院教授の柳川 範之さんでした。

 

番組の内容の要点を以下にまとめてみました。

・これからはAIなどの技術革新によって、急速に人々の働き方が大きく変わる時代になること

・具体的には、時間と空間に縛られない働き方が可能になり、「いつでも、どこでも」働けるようになること

・このような変化をよりスムーズに実現させるためには、技術だけでなく制度改革なども必要があること

・AIなどの技術革新によって、一人がこなせる範囲は更に大きく拡大していくこと

・従って、これからは今よりもずっと少人数で、場合によっては一人で大きな会社を運営することも可能な時代になること

・このようにAIなどの技術革新は働き方だけではなく、企業組織のあり方も今後大きく変えていくこと

・具体的には、少人数でプロジェクトごとに人が集まるような組織に柔軟に変わっていき、将来的には一人の人が複数のプロジェクト組織に所属するようになり、複数の組織に所属する兼業や副業が当たり前の時代になっていくこと

・その結果、アイデンティティやコミュニティの帰属先も変わってくること

・こうした変化への対応力が企業経営においても、働き方においても求められること

・企業経営においては、人とAIとの役割分担を考えることが必要になり、いかに迅速に適切な業務の再編成を進めていくかが重要になること

・働き方の急速な変化に応じて必要とされる能力も速いスピードで変化していくので、その変化に対応した能力開発をしていく必要があること

・その際、AIが発達するほど、むしろコミュニケーション能力など、人間ならではの能力がこれからは一層重要になってくること

・単にお金のために働くだけではなく、自分が好きな活動をする、あるいは自分が貢献したいことをやっていくことも、結果的には、人間ならではの能力を高めるのに有効であること

・AIなど技術の発展はそれを可能にするはずで、そのチャンスを生かすことで、それぞれが自分の得意な能力を発揮した、生き生きとした充実感のある活動が出来るようになること

 

以上、番組の内容の要点をご紹介してきました。

 

このように働き方の未来像をまとめてみると、技術的に何が可能になるか以下のようなイメージが思い浮かんできました。

・世界規模で、様々な業種における就職の需給情報が統合され、オープンになること

・世界規模で必要とされる様々な情報を入手することやAIによるリアルタイムでの翻訳や通訳が可能になり、コミュニケーションの壁がほとんど取り払われること

・AIとロボットの組み合わせにより、自分の取りたい行動を遠く離れた場所でもロボットを通して取ることが可能になること

・AIやロボットがこれまでにない強力なアドバイザー、あるいは手足となり、一人一人の能力を最大限に引き上げてくれること

 

このように技術的に何が可能になるかイメージが浮かんでくると、更に以下のような働き方のイメージが浮かんできました。

・時間や場所に制約されることなく、どこでも好きな場所で、好きな時間に仕事をこなすことが可能になること

・世界規模で、企業にとっては必要な人材を獲得し易く、一方就職希望者にとっても就きたい仕事に就き易くなること

・更に、プロジェクトタイプの仕事に際しては、世界規模で個々のメンバーの能力を最大限に生かすようなチーム編成が組まれるようになること

・プロジェクトタイプの仕事に限らず、労働者は世界規模で複数の企業の複数の仕事を掛け持ちすることが可能になること

・例えば優れた医師による遠隔操作での手術のように、遠隔地で要求されている仕事も請け負うことが可能になること

・急速な技術革新に対応した能力開発に応えるべく、こうした人材の育成機関がとても重要な位置を占めるようになること

・また、AIの活用により、こうした人材育成に際し、一人一人のレベルに合わせた最適な方法が取れるようになること

 

以上のようなことから、企業など人材を必要とする組織にとっても、就職希望者、あるいは労働者にとってもAI時代には最適な環境が整備されると大いに期待出来ます。

なお、当然のことながら、AI時代と言っても、AIだけでなくロボットやIoT(モノのインターネット)など他の技術との組み合わせが前提となって、新しい働き方が実現されるのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています