2017年08月21日
アイデアよもやま話 No.3787 AIの活用事例 (4) その6 AIで写真の風景を修正!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

6回目は、AIによる写真の風景の修正についてです。

 

美しい風景やかけがえのない人たちとのショットをカメラに収めようとすると、人並みが途切れるまでしばらく待つというような風景をたまに目にします。

そうした中、6月8日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによる写真の風景の修正について取り上げていたのでご紹介します。

 

早稲田大学・石川研究室の飯塚 里志研究員助教は、AI技術を用いて大量の画像をコンピューターに学習させて、学習したものから自然な画像を作り出す研究を進めています。

例えば、カメラで撮ったある風景に写っている人物をこの風景から消そうとする場合、カーソルでこの人物を白く消すと、AIが白く消した部分の周りや学習させておいたこの風景の情報から新しい画像をつくり、白く消した部分を埋めてくれるのです。

 

更に、この技術を応用すると、顔写真の一部を消すだけでなく、例えば顔の目の部分が欠けた写真を復元することが出来ます。

ただし、学習させているのが現在は海外の有名人が多く写っているデータだけなので、外人っぽい目をした顔に復元されてしまいます。

こうした限界はあるものの、昔の写真で傷がついて一部分欠けているのを自然に修復出来るといいます。

 

この技術のすごいところは、同じ画像に復元するのではなく、AIが欠けている部分に何が写っていたのか考えて、人なのかあるモノなのかを想像して復元するところだといいます。

ただし、課題もあります。

高画質には対応していないのです。

なので、スマホなどで撮った写真は一度画像を荒くしてこのアプリを使わなければならないという制約があるのです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したAIによる写真の風景の修正を通して、あらためてAIの活用におけるエッセンスについて私なりに以下のように解釈しました。

・ビッグデータ、あるいはセンサー、およびIoT(モノのインターネット)の活用による様々なデータの入手

・過去のあらゆる関連データの蓄積

・集積された膨大な過去のデータ、および現在把握しているデータを元にしたディープラーニングディープ(深層学習)による問題や課題の解決、および未来予想

・複数のAIの成果を競い合わせることによる、より優れた成果の達成

 

このようにまとめてみると、AIは人間の様々な活動そのものを複数のテクノロジーを駆使してなぞり、質、量、スピードなどの観点で人間とは異次元のレベルでの成果を達成するツール(道具)と言えます。

ですから、AIの基本原理そのものは真新しいものではなく、人工の知能という名のとおり人間の活動そのものを真似たものなのです。


 
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