これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。
4回目は、AIによる日本初のヘッドハンティングサービスについてです。
5月29日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによるヘッドハンティングサービスについて取り上げていたのでご紹介します。
ベンチャー企業、株式会社scouty(スカウティ)(東京都渋谷区)では、AIを使って日本初のヘッドハンティングサービス、“スカウティ”を始めました。
“スカウティ”は、ソフトウェアを開発するエンジニアに特化したサービスです。
エンジニアは、自分が書いたプログラムやソースコード、連絡先のメールアドレスなどをSNSやブログで公開していることが多いといいます。
“スカウティ”はこれらのデータをネット上で収集、能力に応じてスコア付けするなどしてデータベースを作ります。
企業が求めるスキルや専門分野を選ぶと、AIが適した人物を紹介、それを元に企業の担当者がスカウトのメールを送ります。
利用者側からは登録の必要はありません。
本人さえ気づいていない潜在能力や最適な転職先をAIが見つけてくれるのです。
スカウティの代表取締役、島田
寛基さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「転職というのは自分では発見出来ないものがほとんどだと思うので、そういう気付きを自分が普段残しているものから提案出来る・・・」
実際に、“スカウティ”を使って転職した人もおります。
4月にクラウド会計ソフトのfreee株式会社に入社した清水
陽一郎さんの前職はメーカーの子会社で、freeeについては社名も知りませんでした。
清水さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「普段から何通か転職のスカウトメールなどはいただいてたんですけども、“スカウティ”経由で来たメールに関しては、私が公開しているプログラムとかを読んだ上で送ってもらえたという丁寧な内容だったので、すぐ返信しましたという感じです。」
人の心を読み解くAI、私たちの気付かないところで暮らしを変えていくかもしれません。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
まず、今現在、SNSやブログなどネット上のデータを集めて加工するだけでヘッドハンティングをビジネスとして成立させるレベルの情報を提供出来るという事実に驚きます。
しかも、対象となる当事者が“スカウティ”に登録する必要がないというところがこれまでの同様のサービスにはない特徴だと思います。
“スカウティ”は現在ソフトウェア・エンジニアに特化したサービスですが、いずれ他の業種の人材の雇用においてもこうしたサービスは展開されている可能性を秘めています。
今回ご紹介したサービスからは、新しい時代のビジネスの匂いが感じ取れます。