これまでアイデアよもやま話 No.3700 高水温でも白化しないサンゴ!などでサンゴの白化対策についてご紹介してきました。
そうした中、6月2日(金)放送の「国際報道2017」(NHKBS1)でサンゴ礁を救う希望の星について取り上げていたのでご紹介します。
ハワイの沖合に希望の星が現れました。
地球温暖化に適応するスーパーサンゴの養殖が始まりました。
世界の魚の25%が生息するサンゴ礁、しかし、オーストラリアの沖合に長さ1400マイル(約2300km)にわたって連なるグレートバリアリーフでは海水温の上昇でサンゴが白く変色する白化現象が広がっています。
ハワイの研究者たちが見つけたのは下水が流れ込んだ湾で生き延びた強いサンゴ、これを進化させ、更に強いサンゴを生み出そうと考えました。
スーパーアスリート同士が結婚し、超スーパーアスリートが生まれる入り口です。
研究者の一人は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「自然が進化する過程を手助けしてスピードアップさせているのです。」
この研究者は、このままでは2050年までにサンゴ礁の90%は死滅してしまうと警告しています。
ハワイでの試みが他の海でも活用出来るのか世界的に注目されています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
そもそも下水が流れ込んだ湾で生き延びた強いサンゴの存在は、生物が自己の生存を賭けて周りの環境に順応していこうという生物の強烈な生存本能を感じます。
一方、こうしたサンゴの白化現象をもたらしている原因とされているのが私たち人類が豊かさを追求するあまりCO2排出量の増加に伴う地球温暖化なのです。
ですから、以前から思っていたことですが、私たちは自分で地球温暖化の原因を作りながら、問題が表面化すると何とかしなければと大騒ぎしているのです。
こうした矛盾を感じながらも、だからと言って何も手を下さないわけにはいきません。
今回ご紹介しているサンゴの白化については、とりあえず白化しない強いサンゴを見つけてより強いサンゴを生み出すしかありません。
そうしないと、サンゴ礁に依存している多くの生物が死滅してしまいます。
そのうえで、やはりCO2排出量の削減対策を速やかに実施することが求められます。
サンゴの白化、海水面の上昇、あるいは最近の世界的な異常気象などは今手を尽くしてもしばらくは続くと専門家は指摘しています。
それでも、地球温暖化対策を進めなければ、取り返しのつかない事態をもたらしてしまうのです。
ですから、本来であれば、世界をリードすべきアメリカの大統領が今こそその手腕を発揮すべき時なのです。
そういう意味で、地球温暖化対策よりも“アメリカ第一主義”を掲げ、雇用の創出、あるいは経済優先を唱えるトランプ大統領の存在は悪夢としか言いようがありません。