2017年07月09日
No.3750 ちょっと一休み その602 『最近の政界の不祥事などに見る再発防止策の必要性!』

ご存知のように7月2日投開票の東京都議選で、小池 百合子知事が代表の「都民ファーストの会」は擁立した50人の候補者のうち49人が当選したのに加え、推薦して当選した無所属の6人を追加公認し、併せて55議席を獲得し、都議会第1党となり、圧勝しました。

こうした自民党の歴史的惨敗の要因は、最近の自民党議員による度重なる不祥事や失言、あるいは安倍総理ご自身の森友学園問題や加計学園問題に対する野党からの説明責任の追及といったことが挙げられています。

更に、都議選直前の豊田 真由子衆議院議員の秘書に対する暴言・暴行や下村 博文都連会長に対する裏献金疑惑の報道、そして稲田 朋美防衛大臣の応援演説での不適切な発言が更なる追い打ちをかけました。

                                 

そうした中、7月2日(日)放送の「時事放談」(TBSテレビ)でゲストで自称「自民党良識派」の村上 誠一郎衆議院議員が次のようにとても気になる発言をされておりました。

「(豊田議員と同様に当選2回の自民党議員を巡る様々な不祥事が相次いでいる中、)豊田さんが非常にこれだけ注目を浴びているんですが、2回生議員の不祥事を見た時に実は一番心配しているのは、小選挙区になってから後5年、10年後の永田町や霞が関に人材が確保出来るのかと。」

「特に、公務員法の改正によってですね、中々公務員も先輩が入られた頃と違って霞が関も人材が確保しにくくあると。」

「そっちの方も非常に心配しております。」

 

「私が最近つくづく思うのは、小選挙区になってから小泉チルドレンが83人通って(当選して)次10人なんですね。」

「で、小沢チルドレン・ガールズがだいたい150人いて、次に通ったのは2人と言われて。」

「今、その安倍チルドレンが120〜130人いるんですが、次の戦いがいよいよ正念場なんですが、中選挙区の時は自分の二本足で立って、自分で組織を作らなきゃ通らなかったんですね。」

「たから、私なんかは最初落ちて、次に通るまで50人、100人の座談会を1000回やったんですが、最近は街頭演説が選挙運動みたく思っていて。」

「とにかくもっとひどいのは、秘書さんが回って、(議員本人は)感触のいいところだけしか回らないと。」

「つまり、本当の選挙とかそういうものに対して、今までははっきり言えば立候補するということはですね、身上を賭けるみたいなところがあったんですね。」

「へたしたら家が潰れるかもしれないと。」

「その中で命がけでやると。」

「だから私の東京のスタッフは、初当選以来31年間2人とも代わってないんですが、そういうふうにチームでやっていかないととてもじゃないけど続けて通れないんですね。」

「で、そういうことを今言われるように、最近の若い人たちはなんかちょっと公認とか上の方にうまく取り入れば、比例の順位だとかポストだとかいろんな面で優遇されるというか、それをなんかちょっと錯覚なさっているんじゃないかなと思って心配しています。」

 

なお、同じくゲストで元総務大臣の片山 善博早稲田大学教授は、次のようにおっしゃっています。

「ちょっと失礼な言葉ですけども、国会議員の政党が公認をする時に、やっぱり学歴とか職歴とかも一つの要素になるとは思いますけども、理念とか政策とか更には人となりとか、そういうところをしっかりと見て、それで有権者に提示するという役割が政党には求められると思うんですね。」

「ですから、本当に失礼な言い方ですが、品質管理というものがちゃんと出来ているんだろうかと。」

「これは政党の責任が大きいと思います。」

「勿論、個人で立候補出来ますけども、政党が政党交付金をもらって活動しながら、その中から候補を提示していくわけですから、言わば税金を使って候補を立てるわけですよね。」

「ですから、もうちょっと品質管理をするという責任を私は政党は自覚して欲しい。」

「あまりにもちょっと即席で候補を作られている、そういうことが目につきますね。」

 

以上、番組の内容を一部ご紹介してきました。

 

そもそも私たち有権者の立場からすると、選挙の投票に際して以下のような悩みがあります。

・特に支持政党がない場合、どの党に投票すべきか

・特に支持する候補者がいない場合、どの候補者に投票すべきか

 

こうした場合、以下のようなことに投票が左右されるケースが多いと思います。

・選挙直前のマスコミ報道によるイメージ

・候補者の街頭演説や候補者との握手などによる候補者への親近感

 

また、村上議員のおっしゃるように、その時々の選挙情勢で大きな変化が見られる時、小泉チルドレン、あるいは今回の都議選での小池チルドレンというように、大量の新人議員の誕生という結果をもたらします。

このような結果は、私たち有権者の民意の総意によるもので、コントロールしようがありません。

また、こうした結果、次の選挙で多くの新人議員が落選してしまうような状況は国にとっても国民にとっても望ましくありません。

 

では、こうした問題に対してどのような再発防止策が考えられるのでしょうか。

以下に私の思うところをまとめてみました。

(選挙関連情報の“見える化”)

・以下のような情報をネット上などで公開し、誰でも見られるようにすること

政党の掲げる理念や政策、およびこれまでの成果

個々の議員の掲げていた選挙公約、およびこれまでの成果

(政党について)

・選挙の候補者選びに際して、その対象者の掲げる政策や政治家として最低限必要な常識など、および掲げる政策を達成するプロセスの実現性にも留意すること

・当選後の新人議員向けの育成制度を確立し、確実に実施すること

・各議員の活動の進捗状況を把握し、しっかりとした進捗管理を実施すること

(議員について)

・選挙公約を掲げる際には、単に公約を掲げるだけでなく、実現に向けたプロセスをしっかりと検討すること

・当選後は公約の実現を目指して、あるいは与えられた任務の実現に向けてしっかりと取り組み、

・マスコミ報道で悪いイメージや不正行為を指摘されないように、議員としての行動を慎むこと

(有権者について)

・上記の“見える化”情報や日々の関連情報を元に、選挙の結果が国の行く末に大きな影響を与えることを踏まえて、投票に臨むこと

(マスコミ報道について)

・マスコミ関係者は、特に選挙前の政治関連報道においては、誤った報道でも与える影響は無視出来ないので選挙に真実に基づいた正確な報道を心がけること

 

以上ですが、特に安倍政権には今回の都議選での自民党の歴史的惨敗を契機に、結果をしっかりと受け止め、再発防止策に勤めていただきたいと思います。

一方、今回の都議選は、「都民ファーストの会」の掲げる政策による勝利というよりも自民党の自ら招いた不祥事や失言・暴言などによる勝利という側面が大きいといいます。

そうした中で、小池知事や「都民ファーストの会」におかれましては、次の都議選で今回の選挙で大量に誕生した新人議員がほとんど落選してしまうようなことのないようにしっかりとした議員の育成、および都民のための有意義な活動に努めていただきたいと思います。


 
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