2017年06月29日
アイデアよもやま話 No.3742 防犯カメラの画像がより鮮明に!

4月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で防犯カメラの画像をより鮮明にする技術について取り上げていたのでご紹介します。

 

私たちの周辺に数多く存在する防犯カメラは、犯罪捜査などで犯人の特定につながることも少なくありません。

安心、安全への関心が高まる中、今その映像をより鮮明にする解析技術の開発が相次いでいます。

警視庁は、防犯カメラで捉えた映像をもとに強盗などの犯人を特定し、これまでの捜査方法に加えて、こうした映像をツイッターなどで一般公開し、情報提供を呼び掛けています。

 

防犯カメラの映像は、今や犯罪捜査には欠かせないといいます。

しかし、街中に設置された無数の防犯カメラの映像の中には、不鮮明で読み取ることが困難なものも多いといいます。

 

そうした中、パソコンのデータ復元などを手掛けるAOSリーガルテック株式会社では捜査を手助けする画期的な解析技術を開発しました。

走行中の自動車を撮影した画像は、上の方から撮った写真なので自動車のナンバーがうまく読み取れない状況です。

ところが、解析ソフトで読み取りが難しい画像のブレの回度や幅を補正すると、ナンバープレートがなんとか識別出来る程度までになります。

更に、ほとんど真横から撮った画像のナンバープレートに、正面から見たような補正をすると、数字の読み取りが可能になります。

最新の解析技術では防犯カメラの不鮮明な画像からここまで情報を読み取ることが出来るのです。

AOSリーガルテック・ツール販売事業部の隅野 晴雪営業部長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ナンバーが一つ見えるか見えないかで捜査の対象の範囲が非常に狭まるという・・・」

「犯人を逃がしている時間が短縮化するという大きな効果がもたらされる可能性があると思っております。」

 

AOSリーガルテックは、今年4月から主に警察など官公庁を対象にこの解析ソフトの販売を始めました。

 

一方、日立製作所中央研究所では、最新の映像解析でテロ事件の防止につながる技術を開発中です。

人工知能(AI)に特徴を覚えさせることで、群衆の中から特定の人物を見つけ出し、追跡出来るといいます。

日立製作所・システムイノベーションセンターの主任研究員、村上 智一さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「1万人ぐらい映っていても、その中でも1秒以内ぐらいで見つけることが出来る。」

「事件があった時、置き去りや下見など、こういった行動を一つの特徴として識別することが出来ます。」

「(東京)オリンピック・パラリンピックを契機に、非常に「安心・安全」のニーズが高まっている。」

「セキュリティが要求されるイベント会場・スタジアムだとか、あるいは空港・駅などをターゲットに考えています。」

 

性別・髪型・服装・装飾品など、100項目の選択肢から不審者の情報を入力、するとAIが複数のカメラ映像から条件に合う人物を抽出するのです。

そして、その人物の足取りをリアルタイムで追跡出来るのです。

モノを置いてそのまま立ち去るなどの動作から不審者を見つけ出すことも可能だといいます。

 

企業がしのぎを削る画像解析技術は、今後より一層の安心・安全が求められる中、大きな期待が寄せられています。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

どんなにAIを活用しても、肝心の画像データがぼやけていては宝の持ち腐れで、犯人などの捜索者を防犯カメラで探し出すことは出来ません。

そうした中で、AOSリーガルテックの開発した、読み取りが難しい画像のブレの回度や幅を補正する解析ソフトにより、既存の解析度の低い防犯カメラの画像データも活用出来るようになるのです。

一方、日立製作所に限らず、AIを活用しての人物を特定し、追跡出来る技術の開発もどんどん進んでいます。

 

こうした技術の進歩により、全国の防犯カメラをネットワーク化することにより犯罪捜査や迷子探しなどは格段に効率が上がるようになると期待出来ます。

一方で、こうした革新的な技術の活用は、個人情報が悪用されるリスクもはらんでいます。

ですから、個人情報保護の観点から、しっかりとした管理体制が確立される必要があります。

そうでなければ、とても便利な反面で息苦しい管理社会が出来上がってしまいます。


 
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