2017年06月18日
No.3732 ちょっと一休み その599 『2030年までにEVの販売のみを目指すインド』

6月4日(日)配信のネットニュース(こちらを参照)でンド政府の電気自動車(EV)への取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。

 

インド政府は6月4日までに、国内で販売する自動車を2030年までに全てEVに限定するとの野心的な政策を明らかにしました。

 

 同国のエネルギー省は、インド上空の大気を清浄化するためガソリン使用の車両の販売を中止させる大胆な目標を据えたとブログで報告しました。

 

ピューシュ・ゴヤル・エネルギー相は最近、EVの開発努力を助長するため今後数年間、補助金を供与するとの方針を表明しました。

この政策が進めば、EVのコストは採算が取れるようになるとも予測しました。

 

インド経済は急成長を遂げていますが、新たな産業の台頭や通勤客の増加で大気汚染も急速に悪化しています。

世界で大気汚染が最も深刻な国の1つともされ、年間120万人の死因になっていると推定する報告書もあります。

首都ニューデリーでの呼吸は1日当たりたばこ10本の喫煙に等しいと見る医者グループもいるといいます。

 

インド政府による今回の計画を受け、米国の電気自動車メーカー「テスラ」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は6月1日、これを歓迎する考えをツイッター上で表明しました。

同社はまだインド市場に進出していませんが、同CEOは過去に再三、インドでの店舗開設計画に言及しています。

 

インドは他のクリーンエネルギーの開発計画も積極的に進めています。

太陽光エネルギーの利用を増やす大規模計画にも取り組んでいます。

モディ首相はトランプ米大統領が地球温暖化対策のパリ協定からの離脱を宣言した後、同協定を順守する努力を倍増するとの決意も表明しました。

 

以上、ネットニュースの内容をご紹介してきました。

 

2030年までにEVの販売のみを目指すというインド政府の決断、そして実行力はエネルギー問題、および地球環境問題の解決に向けた素晴らしい取り組みだと思います。

安倍政権にもインド政府のように思い切った政策を打ち出して欲しいと思います。

 

以前お伝えしたように、日産自動車は今年中に航続距離が550kmの「リーフ」次期モデルを販売開始するという情報(参照: アイデアよもやま話 No.3703 自動車をめぐる新たな動き(2) その1 日産「リーフ」の次期モデルは9月公開で航続距離が550kmに!?)もあるように、EVにはこれまでフル充電での航続距離の短さがEVの普及に向けて大きなネックになっていましたが、そのネックがはずれます。

 

しかも、「リーフ」の次期上位モデルのバッテリー容量は60kwhといいますから、半分の30kwhくらいは家庭用電源として使用しても普段の生活にはほとんど問題ありません。

ですから、昼間自宅で駐車している間は家庭用電源として使用すれば、国内全体の昼間の消費電力量のピークカットに貢献出来るのです。

 

一方、アイデアよもやま話 No.3705 自動車をめぐる新たな動き(2) その3 テスラモーターズがいよいよエネルギー業界に本格参入!でもお伝えしたように、アメリカのEV関連ベンチャー企業、テスラ(現在はテスラモーターズから社名変更)はEVのみならずエネルギー業界にも本格参入をしています。

ですから、これまで高いと言われてきたEV用バッテリーも大量生産に伴い、バッテリーに蓄えられる電気容量の高密度化、およびバッテリーの低価格化が期待出来ます。

 

こうした状況から、安倍政権にはこうしたEV関連の動きを睨みながら、EVの普及に向けてEVの所有者を優遇する次のような政策を打ち出していただきたいと思います。

・税金面で優遇する

・高速道路通行料金を格安にする

・EV用急速充電器を更に全国的に設置する

・こうした費用は、原則として全てEV以外の税金や高速道路通行料金を増やすことによって賄う

 

今回ご紹介したインドのみならず、中国や他の途上国においてもガソリン車の普及に伴う大気汚染問題は早急に解決すべき優先順位の高い問題となっています。

ですから、低価格で航続距離の長いEVの潜在的な需要はとても大きいと見込まれます。

 

ということで、安倍政権には、上記に掲げたような政策を年度ごとの達成目標を明確にするなどして、世界的視野でのEVの普及を念頭に置いての実行に移して欲しいと願います。


 
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